メ―メ―の株・投資ブログ

メ―メ―の株・投資ブログ

アラサー兼業投資家。長期厳選小型グロース株投資。2019年12月に株式投資を始めるもコロナショックを経験。日本株オンリー、独学で2倍株を3回、3倍株を1回達成。投資に関する思いつきをアウトプットします!

【損切り】3172 ティーライフを売る!ー20万円。

公開:2022年9月5日

この記事では、株を買ったら売らないことで資産形成を目指す長期投資家の僕が、投資戦略の1つとして実際に損切りをした話をまとめています。

損切りは投資を行う上で避けては通れないもの、損切りは必要経費だと考えています。では、なぜ売らない長期投資スタイルの僕が今回損切りをしたのかというと、ズバリ株を買い始めた時の想定シナリオから大きく悪い方向に変化したためです。

そして、何を損切りしたのかというと3172 ティーライフです。約20万円の損切りです。

ここから株を買った理由、売った理由をまとめていきたいと思います。

 

なぜ買ったのか

買った理由は以下の記事で、割安感、成長性などについて書きました。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

当初、ティーライフは上場10年以内で、時価総額も200億円以下、ROE10%およびROA5%以上をキープできており財務もしっかりとし、利益を出す企業だなと感じました。

決算説明会では社長が「利益が出すぎている」と言うぐらい業績は伸び2023年7月期には急速にEPSも伸びることが予想されました。

お茶関連事業としては、アサヒやキリン、サントリーといった大手が圧倒的なマーケットシェアを占める中で、ティーライフはECサイトで圧倒的なレビュー数を誇ることで参入障壁を築いているものと考えていました。

また、昨年策定された中期経営計画では、2024年7月期には連結売上高150億円、経常利益率9.5%、ROE14.5%と大きな成長も見込まれており、中長期的に充分な成長が予想されたため、昨年より買い集めていました。

 

なぜ売ったのか

これは2022年7月期の決算が酷すぎたからです。もともと2022年に投資を行いその効果が2023年から出てくると昨年社長が言っていましたが、その計画が想定より進んでおらず、今後の業績も芳しくないため、現状これ以上の買い集め、保有はできないと判断したため、売りと判断しました。

ここから詳しく考えていきます。

まず、昨年の2021年7月期決算説明会では「利益が出すぎている」と発言をし、業績の好調さをアピールしてました。中期経営計画では2022年7月期では投資を行うため、業績は微増、2023年7月期からその効果がでるとしていました。この経緯から、今回の2022年7月期の決算は市況の影響を受けたとはいえ、業績の下方修正はなかったので想定内と考えていいでしょう。問題は9月2日の決算で「Reborn!ver.2」をスローガンとした2023年7月期から2025年7月期までの中期経営計画を策定されしました。この中計が本当に最悪で、前回の計画を1年後送りにずらしたようなものでした。

以下、2021年に策定された中計です。

引用:2021年7月期決算説明資料

引用:2021年7月期決算説明資料

売上、利益、ROEどれも良い増加率です。

次に今年2022年に策定された中計です。

引用:2022年7月期決算説明資料

これをみると売上変わらず、経常利益率は低下、しかも2025年の目標!?去年策定した2024年の目標より劣化しているのはどういうことって感じです。

引用:2022年7月期決算説明資料

これをみると目標数値はかなり下がっています。2022年の投資が2023年より効果出るはずだったのが全く見通し立っていない感じがします。今回の決算でこの投資による効果が想定より表れていない理由も記載がありません。

また、2021年の目標ではROEが明記されていたのに、今回の目標からは削除されています。おそらく原材料高による利益率の低下が影響していると考えられます。

そして、中期経営計画の下方修正した理由もまた今回の決算では説明されておりません。通期のように適宜開示する必要がないものとはいえ、業績の良い時だけ強気の発信をし、業績が悪化すると今回のように新しい目標で上塗りして、肝心なとこを隠されてしまうと株主としても、これ以上の保有は難しいと考えています。

また、今後の見通しで円安を背景に、有力な消費市場であるアメリカへの販路開拓を推進するとあるが、円安を理由にアメリカに参入されても今のドル円の動きを想定するのは極めて困難であること、インフレが高すぎてリセッションにもなるかもしれないのに小売事業で今参入するのは市況判断が甘いと考えられます(アフリカや新興国でどこよりも早く参入して参入障壁を築くとかの方が良いのでは?)。

ここまでくると事業の脆弱性が決算数値に出てきていると思うため、以下再検討していきます。

こちらは決算短信の経営成績を数年分まとめたものです。売上10%、利益20%以上の伸びを示す箇所に水色のマークをつけています。2020年期、2021年期はマークが多く、株価も上昇した年です。2022年期は事業投資をおこなっているため少なく、マイナスの部位もありますが、市況を考慮すれば想定内といえましょう。

ここで気になるのは粗利率です。上場当初粗利率は70%以上ありましたが、2022年には38%と約半分になりました。販売商品の変化に伴い粗利率は低下しますが、新商品の導入により粗利率の改善も意識されてきたみたいですが、全く改善されていません。粗利率が下がるということは厳しい市場の競争に負けていることを意味します。

こちらは貸借対照表の資産の部をまとめたものです。売掛金総資産利益率が高すぎることはなく堅実です。

負債の部と純資産の部です。流動比率は1を超えており、無理な借入もなく、負債比率も少なく至って堅実です。しかし、2022年期にROEおよびROAは低下2021年に策定した中計より2%も低い結果となりました。原材料高の影響か利益が出にくくなっています。

こちらは損益計算書をまとめたものです。先にも述べてますが、粗利率が減少傾向にあり、回復する兆しもありません。また、販売管理費(SGA費)の割合がかなり高い(販管費の中でも詳細が非開示のその他の項目で多額のお金が毎年使われいます)です。そのため、利益をかなり圧迫してしまい、純利益が売上の割に少なくなっています。

以上のことから、経営は黒字であり堅実である一方で、厳しい市場環境にさらされ、粗利が減り、利益も減ってしまうことで、通期の業績未達、中期経営計画の下方修正に至ったと考えられます。

出典:Treading View

上場企業としては毎年成長してほしいが、現在のティーライフは成長がほぼ止まるような状態になってしまいました、そのため、株価もこれからはよくて横ばい、中長期的には低迷し、とても新高値ブレイクには到達できないと想定されるため、総合的に考え売りと判断しました。

 

まとめ

ティーライフは2021年7月期の決算では力強い経営状態、自社ブランドによる参入障壁の構築がされていると考え、買い集めてきました。

しかし、2022年7月期の決算では、中期経営計画の下方修正、ROEおよびROAの低下(中計からROEの目標値も削除された)、無謀ともいえるアメリカへの進出、経営状態の数値から参入障壁が消失しかけているため、僕が想定したシナリオからズレが生じたので損切りをすることにしました。

また、2022年7月期3Qの時点では通期および中計には影響がないとしていたが、実際にはかなり影響あった。情報公開するタイミングは企業の責任によるが、今後のIR活動に対しても不信感を抱く結果となった。

今回の反省点は、まず粗利率が年々低下しているにも関わらず買いと判断したこと。お茶関連という厳しい市場環境において、販管費が高く、純利益が少ないにも関わらず、業績の成長性、ECサイトのレビューより参入障壁を築いていると誤った判断をしたこと。市場自体の分析も甘く、企業の中計を素直に信じてしまったこと。以上のことがティーライフの投資から学んだことです。

損切りは投資をするうえでは避けては通れない道です。兼業の個人投資家として資金が少ないなかで、今回1年弱の期間をかけて、約20万円の損切りという高い授業料を払うことになりました。今後の株式市場は、米国が痛みを伴ってもインフレ退治すると言っているので、リセッションに向かい下がると思われます。出した損失をすぐに取り返すようなことはせずに、回収した資金を持ちながらゆっくり新たな株の買い場を待とうと思います。

 

合わせて読みたい

投資初心者、これから投資を始める方におすすめな本3冊について解説しています。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

ファンダメンタル分析を勉強する際に役立つ本3冊を選びました。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

成功マインド、お金の使い方、ライフスタイルを学べる3冊を厳選しました。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

*この記事は、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でお願いします。

また、投資情報は日々変化するため、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。

当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。

投資は自己責任でお願いします。