メ―メ―の株・投資ブログ

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アラサー兼業投資家。長期厳選小型グロース株投資。2019年12月に株式投資を始めるもコロナショックを経験。日本株オンリー、独学で2倍株を3回、3倍株を1回達成。投資に関する思いつきをアウトプットします!

【初心者にもわかる企業分析】3475 グッドコムアセット 業界で時価総額上位を目指す不動産企業

公開:2023年6月2日

不動産株は投資先として大丈夫なのか?なぜ注目するのか?

この記事を読む方はこうした疑問点を抱いていると思います。不動産関係の投資先としてはマンションや土地などの現物不動産やREIT、不動産株といったものがあげられます。このような中で、今回はグッドコムアセットに注目し、企業の成長性および業界のことにも注目していきたいと思います。

 

本記事の内容

  • グッドコムアセットとはどんな企業?
  • 財務状況は?
  • これらからみえてくる今後の可能性
 
この順番でさっそくみていきましょう。
 

グッドコムアセットとはどんな企業?

グッドコムアセットの事業内容

当グループは、当社及び子会社5社(株式会社グッドコム、株式会社ルームバンクインシュア、臺灣家得可睦股份有限公司、上海家徳可睦商務諮詢有限公司、株式会社キャピタルサポートコンサルティング)の6社で構成されています。「Purpose=不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、社会に貢献する」、「Vision=21世紀を代表する不動産会社を創る」を掲げ、主要な事業として、自社ブランド「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの投資用新築マンションの企画、開発、販売及び管理に取り組んでいます。当グループが取扱う物件には、土地を仕入れて自社ブランドマンションを開発する物件(開発物件)と、マンション建設事業主から一棟を買い取り、自社ブランド仕様に変更する物件(専有物件)があります。

 

「GENOVIA」シリーズの主な特徴

  • 「人と緑が共生するエコロジーの最大公約デザイン」をコンセプトとし、原則として、マンションのエントランス付近又は道路に面した1階壁面部分に植栽を施した壁面緑化デザイン「green veil(グリーンヴェール)」を採用しています。なお、壁面緑化デザインが立地等により採用できない場合は、屋上緑化デザイン「skygarden(スカイガーデン)」又は屋上ドッグラン「skyrun(スカイラン)」を採用しています。
  • 設立以来、建築地域は東京23区中心であります。
  • 間取りは、若い世代や高齢の単身者向けの1Kが中心となり、物件の立地・開発条件に応じてシングルやディンクス向けの1LDK、2LDK等が併設されています。
  • 主な価格帯は2,000万円台から5,000万円台を取り揃えており、顧客の所得や趣向に応じて販売しています。
  • 投資物件としての価値を高め、空室率を低下させるため、最寄駅から徒歩10分圏内に位置するようにし、入居者の安全性を重視し、オートロックシステムやエレベーター内防犯カメラ、ディンプル錠を設置する等、防犯面にも配慮しております。
  • 外観やエントランス等、各物件の仕様を揃えること等で統一感を持たせており、物件及び開発用地の提供側(仕入先)にも当社グループの物件を購入する投資家側(販売先)にも建設前の段階から建設後のイメージを持っていただけます。

 

当社グループの事業概要は、以下のとおりです。

(1)ホールセール

当社において、国内外の法人等に自社ブランドの新築マンションを販売しています。

(2)リテールセールス

当社において、国内外の個人投資家に自社ブランドの新築マンションを販売しています。

(3)リアルエステートマネジメント

連結子会社である株式会社グッドコムにおいて、主に当社が販売したマンションの入居者募集等の賃貸管理業務、マンション管理組合から受託する建物管理業務を行っています。

また、連結子会社である株式会社ルームバンクインシュアにて、不動産賃貸借契約時に借主の保証人となる家賃債務保証事業を行っています。

(4)その他

今後拡大を目指す新規事業として、新規上場および上場後IR・資本政策に関するコンサルティング、不動産小口化商品販売事業Good Com Fundで構成されています。

また、グッドコムアセットは独自のオフバラスキームによる仕入、先行コスト削減、資金効率向上を計っています。仕入契約時に総額の平均2~3%を手付金として支払うため、(仕掛)販売用不動産ではなく、竣工前は前渡金に計上。結果、手付金2%と仮定すると、前渡金の50倍の仕入を確保できる試算です。この仕組みにより、借入をせずに手付金のみで仕入が可能、健全な財務体質、仕入の加速化を行なっています。これは、当社の競争優位性といえます。

 

グッドコムアセットグループの歩み

2005年:創業

2008年:自社ブランド「GENOVIA」シリーズ販売開始、グッドコム完全小会社化

2011年:壁面緑化「green veil」採用

2015年:屋上緑化「skygarden」採用、台湾台北市において 現地法人「臺灣家得可睦股份有限公司」を設立

2016年:東証JASDAQ新規上場

2017年:東証二部市場変更、中国上海市において 現地法人「上海家德可睦商务有限公司」を設立

2018年:東証一部指定

2019年:日本経済団体連合会加入、屋上グッドラン「skyrun」採用(日本経済団体連合会:一般社団法人日本経済団体連合会は、日本の大手企業を中心に構成された経済団体である。略称は「経団連」。 日本商工会議所経済同友会と並ぶ「経済三団体」の一つで、その中でも影響力は際立って大きく、会長は「財界総理」と称される。)

2020年:ルームバンクインシュア完全小会社化、キャピタルサポートコンサルティング設立

2021年:大阪支店開設

2022年:グッドコムアセット投資顧問設立、グッドコムナビ設立、東証プライム市場移行

 

情報収集&3C分析

3C分析とは、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字をとったものです。

(1)市場

不動産業界は、2022年の首都圏マンションの供給は前年に対し12.1%減の2万9,569戸
でした。平均価格は0.4%上昇し6,288万円、平米単価は1.6%上昇し95.1万円と平均価格、平均単価のいずれも上昇、過去最高値という状況となりました((株)不動産経済研究所調べ)。
なお、安定した収益が見込める東京の賃貸用不動産への投資需要は、引き続き堅調に推移しています。

 

(2)競合

不動産3大手は三井不動産三菱地所住友不動産があります。時価総額はグッドコムアセットとは桁が違います。売上総利益率としては、三井不動産が23.5%、三菱地所が25.4%、住友不動産が30%で、グッドコムアセットは19.0%でまだまだ差があります。

グッドコムアセットは業界上位を目指すとしているので、これら大手との差からまだまだ成長余地は多くあると考えられます。

 

(3)自社

グッドコムアセットの強みは多様な販売チャネル、ストックビジネス、新規事業の展開により毎年成長しています。前述したように、ホールセール、リテールセール、リアルステートマネジメント、REIT事業、その他があり多角的に展開しています。そして、首都圏から全国展開を始めているのでさらなる成長が予想されます。

 

財務状況は?

まずは四季報からみていきます。

上記四季報データを抜粋したものですが、売上、利益および配当は毎年着実に増加しています。コロナショック時ですら経営状況が悪化することなく成長していることから強さがうかがえます。また、ROEおよびROAも高値を示しており、資本効率がいいです。

次に決算短信をみます。まずは業績からです。

2020年〜2022年の業績をまとめたものです。売上10%以上、利益20%以上成長している項目を青色にしています。青色が多く安定成長が予想されます。

次にこの業績を四半期後ごとの数値に分解してみています。

時期によって差はあるものの四半期ごとでも青色に塗られた項目が多く、企業成長の強さがわかります。

損益計算書もみます。

2020年〜2022年の損益計算書をまとめたものです。粗利率は20%弱を維持できています。決して悪くない数字ですが30%を超えると成長力が増すでしょう。また、売上に対する純利益の割合もわずかですが増えています。10%を超えるとさらに成長すと考えられます。

貸借対照表もみます。

ここからは、ROEおよびROAが高値を示していることがわかります。そして、不動産業ですが負債比率が少なく、長期借入金も少ないことから、前渡金をうまく使用し、資金効率を高めている効果の表れだと考えられます。

この数値こそが、グッドコムアセットの競争優位性であり、成長エンジンと推測されます。

キャッシュフロー計算書もみます。

ここではフリーキャッシュフローに注目します。マイナスの年もありますが概ねプラスになる年が多く、常に自由に使えるお金を保有しているため、迅速な販売用地取得、新規事業の立ち上げを可能にしていると思われます。

*ここでの財務分析では次の2冊の書籍を参考にしています。さらに詳しくみたい方はリンクをご参照してください。

 

これらからみえてくる今後の可能性

上記のことを踏まえて、ここから以下の記事の方法を参照しさらに深掘りしていきます。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

 

①売上および利益が成長している

これまでの四半期決算より多くの年で売上10%以上、利益20%以上成長しています。

そして、6年間で6倍以上の成長が予想されています。販売用地の取得スピードから、さらに成長することも予想されています。

 

時価総額が小さい

時価総額は2023年5月で約260億円、いわゆる小型企業です。目標通り日本の時価総額トップレベルの不動産企業になれれば、今以上にはるかに大きい時価総額になります。

 

③配当を出している

2023年5月で配当は35円出しており、配当性向は30.9%、配当利回りは約4%と高配当です。

このまま順調に成長すれば利益、資本も増加するので増配や自社株買いも期待できます。

 

④上場年

2006年5月設立で、2016年12月8日に上場とまだ若い企業です。

 

⑤材料株か?

日本の不動産は少子高齢化、人口減少から価値が下がると思われがちですが、ここ数年は上昇しています。これは、単純に人口が減るから不動産の需要が減るという構図にはなっていなからだと思います。日本の場合は、人口減少しますが、世帯数は増えます。人口重心も年々東京へ移動し、都心への人口集中も起こっています。また、少子高齢化により相続問題が発生し、相続対策でのニーズも高まります。海外投資家からのニーズも高まっています。これらのことから不動産の価値は上昇傾向になっていると推測できます。

また、日本では岸田首相をはじめとする政治家達は増税をしたがっています。こうした環境下では日銀も金融緩和を引き締めれば、増税とインフレ(場合によってはハイパーインフレ)の二重苦を国民に課してしまう可能性があるため、金融緩和をまだまだ継続するのではないかと考えられます。この金融緩和の流れは不動産や市場に追い風になっているとも捉えれます。

 

⑥チャートパターン

出典:Treading View

上場来より何度か仕手株のような動きが何度かみられますが、長期的にて右肩上がり、上場時の頃より約8倍にまで株価は上がっています。

ただし、日本の不動産会社の時価総額トップを目指しているので達成すればテンバーガーどころではないです。また、日本の企業はテンバーガー以上の値動きしたものもこれまであります。

 

⑦注目度が低い銘柄

これまで何度か仕手株化して注目を集めましたが、最近のTwitterやYahooファイナンス掲示板ではあまりコメントがつかず人気の低い銘柄です。

 

時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄

これまでPERによる予想株価の算出をおこなってきましたが、大概その予想値にはなりません。また、本によってはDCF法やDDM法が紹介されていますが、過去の数値から適正株価を算出し、その乖離を評価するものです。

将来的なビジネスモデルから株式価値を算出しておらず、これを定量的に評価する方法はおそらくありません。

ここからは、個人的な考えになりますが、グッドコムアセットの場合、会社予想で6年間で6倍以上の売上予想がされており、事業も不動産の仕入れ地拡大、REIT事業など多角的な展開を予定しています。そのため、今のままの株価だと企業価値が割安になると考えられます。そのため、事業が長期的に成長すれば、株価の上下はあっても、業績に比例して成長すると考えられます。

 

⑨PSRによる評価

グッドコムアセットの時価総額は2023年6月2日では25,554百万円、2023年10月期の予想は売上高は63,087百万円であるので、PSRは以下のようになります。

  • PSR:25,554÷63,087=0.04

よって、PSRについて現在の株価は割安といえます。

 

⑩社長が大事

トップメッセージでは、時価総額を不動産業界トップ入りすることを明言しています。また、決算説明資料でも何度も公言しています。「目標は紙に書いたら実現する。」と言われているぐらいで、ここまで徹底的に公言するのは素晴らしいことです。多くの起業家、社長達は目標を公言して達成しているので、このような観点からも期待ができます。

ここまでみてきたようにグッドコムアセットの目標、企業業績、ビジネスモデルの多角的展開は今後の成長エンジンになると考えられます。

 

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*この記事は、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でお願いします。

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