【初心者にもわかる企業分析】1966 高田工業所、5G・脱炭素・原子力関連銘柄
高田工業所ってどんな企業?時々チャート急騰してるけど、テーマ株なの?
このような疑問を持つ方も多いと思うので、今回の記事では1966 高田工業所についてどんな事業を行っており、テーマ性や国策との関連について分析していきます。
高田工業所とはどんな企業?
プラント事業
製鉄プラント分野
TAKADAの基幹事業のひとつで、製鉄関連設備の設計技術据付、配管工事などの施工技術、そして継続的な設備メンテナンスまで、プロジェクトを綿密に管理し、「マイマシン活動」でサポートしています。
化学プラント分野
石油・天然ガス分野では、石油精製プラントや液化天然ガスプラントなどの配管をはじめ、適切で特殊な施設技術とプラント管理を通して高効率で信頼性の高いプラント建設に貢献しています。
石油・天然ガスプラント分野
石油・天然ガス分野では、石油精製プラントや液化天然ガスプラントなどの配管をはじめ、適切で特殊な施工技術とプラント管理を通して、高効率で信頼性の高いプラント建設に貢献しています。
エレクトロニクス関連分野
TAKADAでは、長年にわたって培ってきた「装置技術ノウハウ」と「トータルクリーンテクノロジー」により、設計から現地立ち上げ、アフターメンテナンスまでの一貫施工システムと国内トップレベルを誇る充実した設備と全国ネットの施工体制で対応しています。
原子力・エネルギープラント分野
低炭素社会の実現と低コストでの電力供給の役割を担う原子力。この重要なクリーンエネルギーを安定して供給するためには、設備の高い安全性を維持することが必須です。 TAKADAは、「品質保証システム」を構築し、原子力発電設備の 安定操業に貢献しています。 また、新エネルギーとして注目される太陽光発電や風力発電、 水素発電等のクリーンエネルギーにおいても応しています。
環境プラント分野
地球規模で環境保全が叫ばれている中、 人々の暮らしになくてはならない社会インフラとして整備が進む 廃棄物処理施設や下水処理施設などの環境施設。 TAKADAは、これらの施設に積極的に取り組んでいる。
エンジニアリング事業
プラント建設のために、独自のノウハウを蓄積した技術、技能を最大限に活用し、トータルコストのミニマム化を図ったプラントエンジニアリングを行っています。
設備診断事業
製鉄、化学、石油の基礎素材産業の設備メンテナンスを行うなかで様々な技術とデータを蓄積してきました。特に、回転機械の診断技術や静止機器や配管に対する腐食損傷解析技術においては、長年にわたって研究開発を重ね、メンテナンスの最適化を追求している。
装置事業
エレクトロニクス分野で長年培われてきたテクノロジーと装置技術をもとに用途ニーズに合わせた先進的な装置技術を提供しています。超音波カッティング装置、断面観察用超音波カッティング装置、枚葉式ダイシングフレーム洗浄装置などを取り扱っています。
5G関連?
エレクトロニクス関連分野および装置事業が5G関連に該当する事業です。8月には新製品を発表しています。
昨今、電子デバイス産業では5G通信をはじめとするIoTや自動運転化技術、EVな
どが市場を牽引しており、5G通信の本格普及による環境の整備、データセンターの整備、電動化・自動運転化などによる車載電子部品数の増加、CO2 排出量 25%削減に向けた省エネへの取り組みなどにより、電子デバイスの需要が大幅に拡大しております。このような市場ニーズに応えるために開発されました。
環境関連
令和3年度概算要求のクリーンで経済的な環境エネルギーシステムの実現におけるエネルギー技術の開発等により環境エネルギー問題に対応の項目が関連すると考えられます。なかでも、デジタル化時代を支える徹底した省エネルギーの推進では、あらゆる機器の省エネ・高性能化につながる革新的なパワーエレクトロニクス技術を創出することがCSX501と関係する可能性があります。また、革新的な脱炭素化技術の研究の推進、地域の脱炭素化加速のための基礎研究の推進では原子力エネルギープラント分野および環境プラント分野が関係する可能性があります。
長期的視点で環境エネルギー関連を根本的に解決する項目では、ITER(国際熱融合実験炉)計画等の実施より、環境エネルギー問題を根本的に解決するものと期待される核融合エネルギーの実現に向け、国際約束に基づくプロジェクトを計画的かつ着実に実施し、科学的、技術的実現性の確立を目指すとされています。また、原子力分野の研究開発、人材育成に関する取組、原子力の基礎基盤研究とそれを支える人材育成にも予算が割り当てられており、これらは、原子力エネルギープラント分野が関連すると考えられます。
テクニカル・ファンダメンタル分析
上記のことを踏まえて、ここから以下の記事の方法によりテクニカル・ファンダメンタル分析をみていきます。
①売上および利益が成長している
この会社四季報の数値から、21.3ではコロナショックの影響から業績は落ち込んでいます。22.3では、業績はV字回復が予想され、特にEPSは30円も上昇します。しかし、これでもコロナショック前の業績には戻りません。企業成長に関しては、19.3と20.3では、EPSが急増していましたが、21.3でかなり下がってしまったのが難点です。会社からの業績予想がいまだに発表されていないのも心配点です。
②時価総額が小さい
時価総額は約54億7300万円(2020年12月30日)と小型に分類されます。
③配当を出している
配当は出しており、予想配当利回り1.43%です。
④上場10年以内
1948年6月30日設立で、1983年11月1日に上場と10年以上経過しております。
⑤材料株か?
5G関連、脱炭素社会、エネルギー関連として、令和3年度概算要求のテーマ性に合う企業です。
⑥チャートパターン
2004年からの週足チャートです。過去に1500円に何度かトライしています。次に直近の週足をみていきます。
コロナショック後はゆっくりですが、下値を切り上げています。2020年6月以降2番底をつけるような形をして、出来高急増、株価上昇しています。780円、900円が抵抗ラインとなっています。過去に出来高急増後に株価上昇がみられているので、12月の出来高急増から、チャートがカップウィズハンドルを形成すれば上昇トレンドに入ったといえそうです。
⑦注目度が低い銘柄
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
四季報の予想数値からもわかるように低PER、低PBRで放置されています。コロナショックの影響こそありますが、利益は出しています。業績予想は出されていませんが、四季報の予想EPSから適正PER15倍とし適正株価を計算すると以下のようになります。
- 21年3月:158×15=2370円
- 22年3月:189.6×15=2844円
このように計算した場合、現在の株価758円(2020年12月30日時点)は割安にあると言えます。ただし、この適正価格は1990年代のバブルで上場直後の価格です。日経平均3万円にしてもなかなか動かない株価が2300~2800円まで上昇というのは実際のところかなり厳しいのではないかと考えられます。アベノミクス相場でもほとんど動かなかった株価なのでなにか原因があると考えられます。
続いて、2021年3月期 第2四半期決算短信から貸借対照表を分析していきます。
貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。
この表からは、負債が多く、現金がかなり少ないことがわかります。短期借入金は64億円、工事未払金は90億円から、事業を回すのに60~90億円必要と推察されます。そして、ここまで現金が少ないと経営的には現状維持で、大きく業績に影響を与えるようなIR発表はしばらくないと思われます。しかし、渡部工業の株式を取得したと言われますが、IR内容をみると渡部工業は資本金1000万円の会社で取得株式数は200株で、連結業績の影響は軽微とあります。
資産合計に関しては約336億円、時価総額は約54億円であり、かなり割安にあります。
⑨PSRによる評価
高田工業の時価総額は2020年12月30日では5,473百万円、2021年3月期の予想は売上高は47,000百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:5,473÷47,000=0.11
よって、PSRに関しては2019年の市場平均が1.1だったため、平均よりかなり割安と言えます。
⑩社長が大事
会社のホームページもわかりやすく、会社案内や報告書の資料もわかりやすく作られています。高田工業は、令和2年9月26日に創業80周年を迎えました。80年の歴史の上に立ち、これから先、20年後の創業100周年を見据え、現在の当社の課題及び未来の当社の姿に対して、今何をすべきかを検討していく「2040みらいプロジェクト」を令和2年7月1日付で発足させました。グループ構成員全員が参画し、将来ビジョン・社員像の策定と組織活力の更なる向上を目指し、未来に誇れる企業へと成長を目指しているのは素晴らしいことです。また、他社に負けない取組は、コンプライアンスの取組、社会貢献、たかだ基金は株主だけでなく、地域社会にも還元されるいい取組だと思います。
最後に
高田工業の株価は、かなり割安に放置されているといえます。国策のテーマ性にあった事業展開をされています。ただ、インフラ系のためかあまり注目度も低く、業績もすぐには伸びにくいというのが、今の株価にも反映されているのではないでしょうか。
2021年は脱炭素社会、エネルギー変化の時代が迫ってきています。高田工業に改めて注目が集まれば投資妙味も出てくるのではないてしょうか。
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公開:2020年12月31日
更新:2021年1月5日
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