メ―メ―の株・投資ブログ

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アラサー兼業投資家。長期厳選小型グロース株投資。2019年12月に株式投資を始めるもコロナショックを経験。日本株オンリー、独学で2倍株を3回、3倍株を1回達成。投資に関する思いつきをアウトプットします!

【初心者にもわかる企業分析】3449 テクノフレックス、上場1年配管メーカーの成長性

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この記事では、水道やガス管をはじめとした配管の金属加工技術を用いてさまざまな分野に事業展開する、3449 テクノフレックスについて分析していきたいと思います。

 

本記事の内容

  • テクノフレックスはどんな企業?
  • 同業他社との比較
  • テクノフレックスの特徴
  • テクニカル・ファンダメンタル分析
 
社会インフラに関わる企業で業績は安定と言われていますが、実際はどうなのかしっかりとみていきます。
 

テクノフレックスはどんな企業?

各種配管に用いられる 管継手のサプライヤーとして社会のインフラを支える企業です。
継手事業防災・工事事業自動車・ロボット事業介護事業を展開しています。各事業は、一見バラバラの分野に見えますが金属加工技術という共通点があります。そして、テクノフレックスは水道管の配管をはじめとし、LNGの配管、原子力発電所半導体工場、製鐵所、H-1ロケット(9号)に関わりライフラインを守り続けています。

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出典:テクノフレックス

同業他社との比較

配管資材銘柄を下の表に示します。

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この関連銘柄の中では、モノタロウが断トツの時価総額です。テクノフレックスはまだ上場1年ですが時価総額は中堅的な位置にあります。最近はベトナムと新潟の新工場を作るようにしており、今後の成長性に期待できます。
 

テクノフレックスの特徴

テクノフレックスは継手事業防災・工事事業自動車・ロボット事業介護事業を展開しています。
 

継手事業

継手事業はさらにフレキシブル継手、伸縮管継手、真空機器に分類されます。

フレキシブル継手

SDF工法向けにフレキ管を提供し第1回インフラメンテナンス大賞(厚生労働大臣賞)を受賞しています。高度経済成長に作られた水道の老朽化は進む一方で管路更新は進んでいません。2015年で更新が必要な管路は13.6%に対し、更新率は0.74%です。そこで、掘り起こさずに補修ができるSDF工法は期待できる技術です。管路更新の推定市場規模は年間約1兆円と需要も見込めます。

 

伸縮管継手

石油・化学プラントなどのエネルギー関連、ガス・水道などのライフライン、製鉄プラントなどの大規模産業設備に提供している。地震や熱膨張などの様々な負荷から設備機器と配管を守ります。

 

真空機器

半導体関連へ提供している。この真空配管は、半導体のみならず様々な分野の工場ラインに設置され、また、医療用の診断装置にも使用されている。

テクノフレックスはマーケットシェアの拡大と新規分野への参入のための新製品の開発、製品ラインナップの拡充を図り、真空機器の更なる業績拡大を目指しています。

 

防災・工事事業

 防災・工事事業はさらに消防設備の配管工事、貯水機能付給水装置、水道管および電柱の切断装置に分類されます。

消防設備の配管工事

この分野では、スプリンクラーなどの消火設備の配管工事を行っており、この工事は3Qではもともと東京オリンピックの交通渋滞緩和のため工事を控える動きがありました。オリンピック中止になってっも工事は増えませんでした。個人的には来年もオリンピックによる影響のでる可能性はまだあると考えています。

日本のスプリンクラー設置率は米国と比較すると米国と比較するとまだまだ少なく潜在的なニーズはあると考えられます。

 

貯水機能付給水装置

配管に貯水という付加価値をつけた貯水機能付給水管装置(マルチアクア)を提供しています。災害などによる断水時に水の供給を確保します。これは、従来のペットボトルによる水の備蓄を必要としないため、水の使用期限を気にすることもなく、ペットボトル水の買い替えも必要ない、エコで便利な製品です。また、国土強靭化計画にも該当します。

 

水道管および電柱の切断装置

東京都が推奨する無電柱化に貢献しています。東京都の無電柱化率は2017年で5%未満とまだまだ需要が見込まれる分野です。

 

自動車ロボット事業

日本の大手ロボット業者4社と取引をし、多くの自動車メーカーで使用されています。

 

介護事業

コロナ禍でもレンタル事業は堅調に推移。福祉用具の販売および介護用住宅改修は、コロナ禍での個人住宅訪問が難しく、苦戦が続いています。

 

テクニカル・ファンダメンタル分析

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上記のことを踏まえて、ここから以下の記事の方法によりテクニカル・ファンダメンタル分析をみていきます。

me-me-kabu-toushi.hateblo.jp

 

①売上および利益が成長している

 

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2020年4集の四季報の数値からは売上および利益は増加傾向にあります。2019年では中国経済の影響を受け、売上、営業利益、経常利益が減少しています。2020年3Qでは通期進捗率は、売上69.4%、営業利益58.0%、当期純利益51.4%とあり、通期では下方修正の可能性も考えられます。記事公開後、下方修正の発表がありました。その場合、2年連続、減収・減益という厳しい状況にもなりそうです。

四季報の予想値を参考にした場合、売上は21800÷18692=約1.16倍、1株益は112.4÷99.6=約1.12倍と微成長が見込まれます。インフラ関連であり、人材不足もあり急激な成長は難しい分野なのかもしれません。

 

時価総額が小さい 

 2020年8月17日では23,816百万円でした。11月24日では24,628百万円で小型に分類されます。

 

③配当を出している 

 上場前より配当を出しており、予想配当利回り3.59%です。結構高めなので機関か何かの要因によって株価を抑えられてるような印象を受けます。

 

④上場10年以内

2001年10月24日設立で、2019年12月10日東証二部上場とかなり若い会社といえます。

 

⑤材料株か?

マルチアクアは国土強靭化、半導体は5G関連と材料はある。

 
⑥チャートパターン

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出典:Treading View

上場1年のため週足でみていきます。コロナショックで一時は600円近くまで下落もその後は、1500円まで上昇し、2020年11月24日では1153円です。公開価格は900円だったので、この1年で株価は上下変動こそあったがあまり変化はなかったと言えます。通期の進捗率も怪しいのでしばらくはこの価格帯を上下すると思われます。

⑦注目度が低い銘柄
アナリストレポートはない、TwitterYahooファイナンス掲示の書き込みも少ない。注目度は低いと言えます。
 
時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄

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テクノフレックスは四季報の数値から、売上および1株益の5年成長率が約1.1倍なので、この1年間の株価の変動も妥当なものだと考えられます。
また予想PERは2020年12月で11.3、2021年12月で10.2と割安な予想にあります。予想EPSは20年12月で101.5円、21年12月で112.4円となっているため、PERは15倍に回帰するという考えのもと適正株価を計算すると以下のようになります。
  • 20年12月:101.5×15=1218円
  • 21年12月:112.4×15=1686円

このように適正株価を計算した場合、現在の株価1153円(2020年11月24日時点)はやや割安にあると言えます。

続いて、2020年12月期 第3四半期決算短信から貸借対照表を分析していきます。

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貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。

 資産を全体をみると負債が少なく健全な経営と捉えることができます。現金は割合的に少ないですが、インフラ関係の企業のため土地や機械など有形固定資産の割合が大きくなります。資産合計は約260億時価総額約246億とあまり差がなく、資産評価の点では株価は妥当と言えるでしょう。

2020年7月にベトナム新工場が完成し、2021年7月に新潟工場が拡張されます。今は積極的に事業投資を行っているので、これらが収益を生み出すようになれば変化が現れると予想できます。

 

⑨PSRによる評価

テクノフレックスの時価総額は2020年11月24日では24,628百万円、2020年12月期の予想は売上高は20,800百万円であるので、PSRは以下のようになります。

  • PSR:24,628÷20,800=1.18

よって、PSRに関しては昨年の市場平均と同等と考えられます。

 

 

⑩社長が大事

 会社のホームページの代表メッセージでは社長の写真が何度も出てくるのが強いインパクトを受けます。しかし、株主・投資家の皆様へのページでは、「2019年に上場〜感謝申し上げます。」とあり、1年前の出来事を書くよりも、コロナ禍や社会環境に応じたメッセージを書かれた方がいいかなと思いました。

また、上場記者会見では、中国やベトナムなどの海外での販売比率は6%であり、現地での品質に対する要求はまだ高くないとのこと。5〜10年経つと状況が変わってくるとみており、品質の重要性が脚光を浴びる時に販売を強化したいとのこと。そのようになれば株価上昇の追い風になる可能性も考えられます。

 

最後に

 ここまでテクノフレックスについていろいろ分析しました。今の株価については個人的に適正~やや割安にあるのではないかと感じます。インフラ関連企業のため、潜在的ニーズがあり、業績に関しては多少の上下変動はありますが、一定水準を保てるのではないのかと思います。

チャート的にはこの1年コロナショックもありましたが、いまはコロナ前とほとんど変わっていません。配当もあるのである意味では金より安定した資産ではないのかとも言えます。

上場後まだ1年で、同時期にIPOしたメドレーやフリーはすごい上昇しています。テクノフレックスは通期で下方修正のリスクがあり、記事公開後に下方修正の発表があり、暴騰させるような材料はみられませんが、四季報予想のような業績の伸びと共に株価も上昇してもらえたらと思います。

 

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公開:2020年11月26日 

更新:2021年1月5日

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