【初心者にもわかる企業分析】3556 リネットジャパン、都市鉱山関連銘柄はコロナ禍で需要拡大か?
3556リネットジャパン。 利益剰余金-1,358百万円 って大丈夫! 連20. 9 も純利益 1株益のマイナスの落ち込みも大きいのですが都市鉱山銘柄としてどうですか?
今回はこのような質問を頂きましたので、いろいろと調べて現在の株価、財務状況、今後の方向性を分析していきたいと思います。
リネットジャパンとはどんな企業?
カンボジア事業
ネットリサイクル事業
ネットリユース事業
同業他社との比較
国内ではリネットジャパンは、ネットリサイクル事業およびネットリユース事業を展開しています。これら2つについてみていきます。
テクニカル・ファンダメンタル分析
上記のことを踏まえて、ここから以下の記事の方法によりテクニカル・ファンダメンタル分析をみていきます。
①売上および利益が成長している
売上および利益は会社四季報より増減額を繰り返しており、特に2020.9期は特別損失を計上して、大幅な赤字になっています。しかし、来期以降はV字回復が予想されています。ただし、総資産約95億に対し、有利子負債は約63億と多めで自己資本比率も15.7%と少ないです。予想ROE/ROAは6.5倍とやや高めでありレバレッジ経営の傾向があり、リスクもある状態です。
★レバレッジ経営については下記の書籍で詳しく解説してあります。
③配当を出している
特別損失を計上する以前より配当は0円です。
⑤材料株か?
リネットジャパンは、コロナ禍で「巣ごもり需要」で需要は増えたものの、現在のテーマ性、材料株ではないと考えられます。
⑥チャートパターン
チャートパターンは週足でみていきます。コロナショックで底打ちをし、1年以上の長い下降トレンドを突破して、少し上昇後のレンジ相場に入っています。特別損失計上時の出来高は多く既に織り込み済みが考えられるため、今はソラミツ社との合弁会社設立待ちと推察されます。この発表内容によりトレンド方向が見えてくると思われます。⑦注目度が低い銘柄
上場時のインタビュー動画や少し前のインタビュー記事がある程度で、TwitterやYahooファイナンス掲示板でも書き込みも少ない注目度の低い銘柄です。
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
20.9期は赤字なので21.9期、22.9期の予想値より計算していきます。マザーズ小売業は12月期は赤字で平均PERが出されていません。そこで適正PER15倍と想定し、計算すると以下のようになります。
- 21年9月:21.5×15=322.5円
- 22年9月:25.8×15=387円
この値からですと2021年1月25日の株価647円は割高に見えてしまいます。また、マザーズ小売業の平均PBRは2.9、リネットジャパンのPBRは4.96とここでも割高に評価されます。
次に、2020年9月期 決算短信から貸借対照表をみていきます。
貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。
資産合計は約95億円であり時価総額76.5億円はこの点からみると割安にあると言えます。しかし、内訳をみるとほとんどが負債です。2020年9月期の決算短信では長期借入金が約17億円増加したとあります。2021年1月8日には有償ストック・オプションを発行し、90万株540万円の資金を集めているのは気になります。ネットビジネスがメインにも関わらず、純資産の少なさ、自己資本比率の低さは経営状態として心配です。
⑨PSRによる評価
リネットジャパンの時価総額は2021年1月26日では7,788百万円、2021年9月期の予想は売上高は7800百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:7,788÷7800=0.99
よって、PSRに関しては普通といえます。
⑩社長が大事
会社のホームページをみるとトップメッセージや写真はしっかりと作りこんであるのがわかります。特にビジネスモデルは社会貢献もできるというのが他社にないポイントだと感じました。リサイクル、リユース事業はすごく目立つ事業ではありませんが、長く持続可能なビジネスモデルであるということが伝わってきます。
最後に
リネットジャパンは、各指標的には割高、資産の観点からは割安にあると言える企業です。今後の見通しについては、特別損失計上によるV字回復、ソラミツ社との合弁会社設立、それらを期待させるような社長の持ち株比率増加があげられます。また、決算短信からリユース事業では、多様化する販売チャネルへの対応と、外出自粛のいわゆる「巣ごもり需要」により買取拡大が予想されています。さらに「タダ本」を始めとする新サービスの開発・導入を進めるとあります。小型家電リサイクル事業では、自治体との連携を加速し、環境省が進めるアフターメダルプロジェクトとの連携等により家庭用パソコンの回収量を拡大し、家電量販店との連携を強化により、新製品販売時に旧製品を回収するためのインフラとして施策の充実を図るとしています。カンボジア事業では、車両割賦販売事業・リース事業は、前期において必要十分な手当てを実施しており、当面は債権の回収業務に特化されます。マイクロファイナンス事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微に留まり、業績は引き続き堅調に推移する予定です。
人材の送出し事業は、日本国政府による外国人への一時的なビザ発給停止等の政策が徐々に解除されており、これまで注力してきた自動車整備士分野を中心に加え、新たな職種への参入も予定されています。
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公開:2021年1月26日
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