【初心者にもわかる企業分析】4486 ユナイトアンドグロウ、デジタル庁創設・DX推進による今後の成長性
今回の記事では、シェアードエンジニアリングという独特の基幹技術を用いて、中堅・中小企業に対しIT関係の事業展開を行う4486 ユナイトアンドグロウについて分析していきます。
ユナイトアンドグロウはどんな企業?
IT業界の将来性
①国内および世界のトップ産業がIT業界
②様々な業界でITの需要が増加
③IT人材の需要が年々増加
IT業界の課題
①IT人材の不足
②SEの長時間労働
中小企業のデジタル化
①デジタル化への関心高い
従業員数300人以上3000人未満の中堅企業では、推進・着手ずみが56%、従業員数300人未満の中小企業では34%となっている。一方で、検討意向を示している中堅企業は35%、中小企業は43%とDXへの関心は高まっている。
ユナイトアンドグロウは、従業員数50〜300人未満、300〜1000人未満の企業がターゲットであり、今後の需要は高まると考えられる。
②課題は山積み
デジタル庁とは?その影響
①デジタル庁とは?
②その影響
テクニカル・ファンダメンタル分析
①売上および利益が成長している
四季報の数値からわかるように2016年から2021年まで経営は続伸する予測です。EPSも2020.12は減少しますが、2021.12には大幅に増加します。このことから、中長期的にはなりますが2021年の経営と株価には期待がもてます。また、2021年の予想値と2017年の数値を比較すると売上は2200÷1175=約1.9倍、純利益は200÷67=約3倍と順調な成長が見込まれます。
②時価総額が小さい
③配当を出している
④上場10年以内
2005年2月23日設立で、2019年12月18日にマザーズ上場とかなり若い会社といえます。
⑤材料株か?
昨今のコロナ禍の中、デジタル庁創設が計画され、DX推進の波が押しよせています。そうした社会環境とIT人材の不足が予測されているため、今後ますますユナイトアンドグロウのサービスに対するニーズが高まると考えられます。
⑥チャートパターン
⑦注目度が低い銘柄
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
四季報からユナイトアンドグロウに関しては、予想PERは31倍と市場平均と比較するとかなり低い値にあります。そして年々売上および利益を伸ばし、配当もありますが株価は最近底打ち上昇してきました。
また、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍であり、予想EPSは20年12月で43.9円、21年12月で54.9円となっているため、現在の平均PERをもとにすると適正株価は以下のようになります。
- 20年12月:43.9×239.1=10496円
- 21年12月:54.9×239.1=13126円
このように市場平均をもとに適正株価を計算した場合、現在の1000円代はかなり割安にあると言えます。ただし、必ずこの株価まで上昇するというよりも今のEPSに対して割安にあるともこの計算から評価できます。
続いて、2020年12月期 第3四半期決算短信から貸借対照表を分析していきます。
貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。
このことから、ユナイトアンドグロウは資産のほとんどは現金として持っており、有利子負債は10,067千円で余剰資金を多く持っている印象です。
仮に、事業を回すのに販売管理費の約4億がかかった場合、余剰資金は約10億円です。これだけの資金があれば事業展開、この会社の目標であるシェアード社員の増員も充分に行えると考えられます。
⑨PSRによる評価
ユナイトアンドグロウの時価総額は2020年11月13日では4052百万円、2020年12月期の予想は売上高は1850百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:4052÷1850=2.19
よって、PSRに関しては割高でも割安でもないと考えられます。
⑩社長が大事
会社のホームページから社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれています。代表のメッセージを読んだ第一印象はとにかく熱い方だと思います。IR TVも出されて決算の説明、今後の事業展開もわかりやすいのがいいです。
また、IRが適度に発信され、株式分割や増配など株主のことも意識され経営されているのが感じられます。
最後に
今回は、IT業界のことから説明し、IT人材の不足が起きていること、デジタル庁創設やDX推進のこと、そして、多くの余剰資金を持つユナイトアンドグロウは今後のシェアード社員増加や事業展開が見込まれます。
ただし、ゲームやバイオ銘柄ではないので急騰はあまり期待できないと考えられるため、中長期的にみていければと思います。
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公開:2020年11月14日
更新:2021年1月5日
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