メ―メ―の株・投資ブログ

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アラサー兼業投資家。長期厳選小型グロース株投資。2019年12月に株式投資を始めるもコロナショックを経験。日本株オンリー、独学で2倍株を3回、3倍株を1回達成。投資に関する思いつきをアウトプットします!

【初心者にもわかる企業分析】4486 ユナイトアンドグロウ、デジタル庁創設・DX推進による今後の成長性

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今回の記事では、シェアードエンジニアリングという独特の基幹技術を用いて、中堅・中小企業に対しIT関係の事業展開を行う4486 ユナイトアンドグロウについて分析していきます。

 

本記事の内容

  • ユナイトアンドグロウはどんな企業?
  • IT業界の将来性
  • IT業界の課題
  • 中小企業のデシタル化
  • デジタル庁とは?その影響
  • テクニカル・ファンダメンタル分析
 
コロナ禍もあり、ニューノーマルが進む社会の中、急激に変化するIT業界の背景も踏まえたうえで解説しています。
 

ユナイトアンドグロウはどんな企業?

 ユナイトアンドグロウは、シェアードエンジニアリングを基幹技術としてインソーシング事業セキュリティ事業を展開する会社です。
ITコンサルティングに近いサービスを提供することで、情報システム部門における必要な知識ノウハウを蓄積しサービス付加価値を向上させています。
人材派遣のようなアウトソーシングではなく、顧客企業から得られた知識を社員が共有するインソーシングは、独特の技術です。
主力のインソーシング事業は、中堅・中小企業の情報システム支援事業(例:システム活用コンサルティング、システム運用代行、システム担当者の育成・交流支援)を行います。そして、中堅・中小企業向けの同サービスは需要は高いが、収益化は困難のため同業他社はいません。よって、固有技術・サービスを有するオンリーワン企業と言えます。
 
中長期成長イメージにおいて、今はビジネス確立期を終えたとこで、IT人材のシェアリング高度化により、2021年度以降の成長拡大を目指しており、現在シェアード社員153人に対し、1000人を目指しているので、事業拡大・成長が期待できます。
 

IT業界の将来性

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IT業界は今後以下の3つの理由からまだまだ成長していくと考えられます。
 
①国内および世界のトップ産業がIT業界
国内のIT業界の市場規模は99.8兆円、全体の10%を占め最も大きいです。
世界の企業ではGAFAMが有名です。これは、GoogleAmazonFacebookAppleMicroSoftの5社をさし、一時東証一部の時価総額を上まわりました。
 
②様々な業界でITの需要が増加
ITを活用し、AIやIoTを導入することで、業務の効率化や課題の解決など業界全体を飛躍的に進歩させることができると考えられています。
 
③IT人材の需要が年々増加
経済産業省によるとIT人材の需要が2018年に109万人、2020年に129万人、2030年に164万人にまで増加する見込みです。
 

IT業界の課題

IT業界が成長するにつれて課題もでてきます。
 
 ①IT人材の不足
 IT人材の不足は現在約37万人から2030年には約79万人に拡大すると予測され今後さらに深刻化することが予想されます。
 
②SEの長時間労働
人手が不足すれば一人当たりの労働時間は長くなります。さらにIT技術の進歩や需要は止まらないため、SEの負担は日々増加していきます。また、下請けも多く、低賃金や長時間労働が顕在化しています。
 
こうした中で、ユナイトアンドグロウの時間と知識のシェアリングは非常に効率的に仕事ができ、かつ業界のニーズに応えていると言えます。
 

中小企業のデジタル化

①デジタル化への関心高い
デジタル庁の創設計画、コロナ禍によるニューノーマルによりDXの波は迫っています。日本能率協会が行った「DXの取組状況」調査によると、すでに5割以上の企業がDX推進、検討に着手済みです。DXの目的は、業務のプロセス効率化が最も多く、人手不足が課題となっています。

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出典:日本能率協会、DXへの取り組み状況

従業員数300人以上3000人未満の中堅企業では、推進・着手ずみが56%、従業員数300人未満の中小企業では34%となっている。一方で、検討意向を示している中堅企業は35%、中小企業は43%とDXへの関心は高まっている。

 

ユナイトアンドグロウは、従業員数50〜300人未満、300〜1000人未満の企業がターゲットであり、今後の需要は高まると考えられる。

②課題は山積み
DX推進の課題については、「人材不足」が大きな課題となっている。また、「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」、「具体的な事業への展開が進まない」など多くの課題があげられています。

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出典:日本能率協会、DX推進の課題
 

デジタル庁とは?その影響

①デジタル庁とは?
デジタル庁とは行政のデジタル化をすすめるために新設される組織です。早くとも2021年〜2022年4月の発足が示唆されています。
 
②その影響
デジタル庁創設により各省庁や自治体のシステムが統合され、データが共有されることで、行政手続きにかかる時間が短縮されると考えられます。また、デジタル化が中小企業にも波及すれば、IT化による生産性の向上、新しい商品やサービスが作られ収益力の向上も見込まれます。
 

テクニカル・ファンダメンタル分析

IT業界に関する話が長くなりましたが、この成長性と課題のある業界で事業展開するユナイトアンドグロウを以下の記事の方法にしたがってしっかりと分析していきます。 
 
①売上および利益が成長している

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出典:会社四季報 2020年4集

 四季報の数値からわかるように2016年から2021年まで経営は続伸する予測です。EPSも2020.12は減少しますが、2021.12には大幅に増加します。このことから、中長期的にはなりますが2021年の経営と株価には期待がもてます。また、2021年の予想値と2017年の数値を比較すると売上は2200÷1175=約1.9倍、純利益は200÷67=約3倍と順調な成長が見込まれます。
2020年12月の予想PERは31倍(2020年11月13日は40倍)で、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍と比較するとかなり低い値であり、割安にあると言えます。
 
時価総額が小さい
2020年8月15日では4052百万円でした。11月13日では5934百万円でまだまだ小型株です。
 
③配当を出している
継続的に配当を出しており、2020年12月は5→6円に増配します。
予想配当利回り0.37%と小さいです。
 
④上場10年以内

2005年2月23日設立で、2019年12月18日マザーズ上場とかなり若い会社といえます。

 

⑤材料株か?

昨今のコロナ禍の中、デジタル庁創設が計画され、DX推進の波が押しよせています。そうした社会環境とIT人材の不足が予測されているため、今後ますますユナイトアンドグロウのサービスに対するニーズが高まると考えられます。

 

⑥チャートパターン

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出典:Treading View
いつもは月足で中長期的に評価していますが、上場1年未満のため今回は週足でみていきます。
2020年10月に一時は上場最高値を突破したが、その後は下落しています。今後カップウィズハンドルを形成し、再度高値を突破すれば、高値節目抜け型となり株価の上昇も期待できます。
 
⑦注目度が低い銘柄
アナリストレポートはないが、TwitterYahooファイナンス掲示で気にされている方は書き込みがあります。しかし、書き込みもまだ少ないため注目度は低いと言えます。
 
時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄

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四季報からユナイトアンドグロウに関しては、予想PERは31倍と市場平均と比較するとかなり低い値にあります。そして年々売上および利益を伸ばし、配当もありますが株価は最近底打ち上昇してきました。

また、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍であり、予想EPSは20年12月で43.9円、21年12月で54.9円となっているため、現在の平均PERをもとにすると適正株価は以下のようになります。

  • 20年12月:43.9×239.1=10496円
  • 21年12月:54.9×239.1=13126円

このように市場平均をもとに適正株価を計算した場合、現在の1000円代はかなり割安にあると言えます。ただし、必ずこの株価まで上昇するというよりも今のEPSに対して割安にあるともこの計算から評価できます。

 

続いて、2020年12月期 第3四半期決算短信から貸借対照表を分析していきます。

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貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。

このことから、ユナイトアンドグロウは資産のほとんどは現金として持っており、有利子負債は10,067千円で余剰資金を多く持っている印象です。 

仮に、事業を回すのに販売管理費の約4億がかかった場合、余剰資金は約10億円です。これだけの資金があれば事業展開、この会社の目標であるシェアード社員の増員も充分に行えると考えられます。

 
⑨PSRによる評価

ユナイトアンドグロウの時価総額は2020年11月13日では4052百万円、2020年12月期の予想は売上高は1850百万円であるので、PSRは以下のようになります。

  • PSR:4052÷1850=2.19

よって、PSRに関しては割高でも割安でもないと考えられます。

⑩社長が大事

会社のホームページから社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれています。代表のメッセージを読んだ第一印象はとにかく熱い方だと思います。IR TVも出されて決算の説明、今後の事業展開もわかりやすいのがいいです。

また、IRが適度に発信され、株式分割や増配など株主のことも意識され経営されているのが感じられます。

 

最後に

今回は、IT業界のことから説明し、IT人材の不足が起きていること、デジタル庁創設やDX推進のこと、そして、多くの余剰資金を持つユナイトアンドグロウは今後のシェアード社員増加や事業展開が見込まれます。

ただし、ゲームやバイオ銘柄ではないので急騰はあまり期待できないと考えられるため、中長期的にみていければと思います。

 

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公開:2020年11月14日

更新:2021年1月5日

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