【初心者にもわかる企業分析】6777 santec、光技術を用いた5G関連銘柄
この記事では独自の光技術を用いて事業展開し5G関連にも該当する6777 santecについて分析していきたいと思います。
santecとはどんな企業?
事業内容
光部品関連事業
主に光通信関連の研究開発や生産活動に必要不可欠な光部品を開発、製造、販売する事業です。光モニタ、光可変アッテネータ(減衰器)、光フィルタを提供しています。
光測定機器関連事業
主に光通信市場向けの波長可変光源や各種光測定装置を開発、製造販売する事業です。波長可変光源製品は世界中の大学や研究機関、光通信関連の製造会社で利用されています。
光イメージング・センシング関連事業
一般企業向けに販売するOCT光源およびOCTシステム製品、そして医療現場向けに販売している眼科医療機器を開発、製造販売する事業です。
同業他社との比較
5G事業の今後の成長性
令和3年度一般会計概算要求に該当?
令和3年度一般会計概算要求から「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に該当する可能性があります。
また、令和3年度 経済産業政策の重点では、「サプライチェーン強靭化・サプライネットの構築」の中の「5G等の活用による製造業のダイナミック・ケイパビリティ強化に向けた研究開発事業」「医療機器等開発体制強靭化促進事業」に該当する可能性もあります。
テクニカル・ファンダメンタル分析
上記のことを踏まえて、ここから以下の記事の方法によりテクニカル・ファンダメンタル分析をみていきます。
①売上および利益が成長している
四季報の数値からわかるように売上、利益ともに年々増加傾向にあります。2022年の予想値と2018年の数値を比較すると売上は8000÷4609=約1.73倍、1株益は106.3÷47.3=約2.24倍と順調な成長が見込まれています。また、特徴的なのは毎年、営業利益<経常利益となっていることです。損益計算書から営業外収益が一定量あるため、経常利益が増加していると考えられます。
フリーキャッシュフロー の概念
「営業キャッシュフロー +投資キャッシュフロー=フリーキャッシュフロー」であり、これがプラスの場合は将来への投資以上に本業で現金を生み出している健全な状態です。
②時価総額が小さい
同業他社のほとんどは時価総額数千億円以上になります。その中でもsantecの時価総額は約230億円(2020年11月30日)と小型に分類されます。
③配当を出している
配当は出しており、予想配当利回り1.05%です。
④上場10年以内
1979年8月25日設立で、2001年7月24日に東証JASDAQ上場と10年以上経過しております。
⑤材料株か?
5G関連として、今後もニーズのある企業です。
⑥チャートパターン
ここ数年のsantecの週足チャートです。2019年より3回2400円にチャレンジしていますが、押し返されています。2020年からはコロナショックもありましたが、下値を切り上げながら、上昇しています。
今後は、業績の伸びとともに2400円をブレイクするかによって株価は転換点を迎えると思います。ちなみに2400円のレジスタンスラインと2020年の下値のトレンドラインを結ぶと2021年8月30日でクロスします。
⑦注目度が低い銘柄
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
santecは四季報の数値からわかるように堅調な成長が予想されます。しかし、2019年から株価は2400円を超えれずに揉み合いを続けています。特にIRとか出す企業ではありませんが、新製品の発表や何か変化があれば上昇の可能性もある位置にいます。また、予想PERは2021年4月で20.7、2022年4月で17.9です。予想EPSは21年3月で91.8円、22年3月で106.3円となっているため、これらから株価を計算すると以下のようになります。
- 21年4月:91.8×20.7=1900円
- 22年4月:106.3×17.9=1902円
このように計算した場合、現在の株価1930円(2020年11月30日時点)は妥当にあると言えます。ただし、PERが15倍に戻ると考えれば、今の株価は割高ではないのかとも言えます。
貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。
この表から、負債がかなり少なく、現金および有価証券もあるので健全な経営がされていることがわかります。現金も多くあることから年々、研究開発費を増やすことができ、有価証券もあるのでここから経常利益を底上げしていることも推察できます。
ただし、資産合計は約119億円であり、時価総額は約230億円(2020年11月30日)で2倍となっているため、この点では割高と言えます。
⑨PSRによる評価
santecの時価総額は2020年11月30日では23,085百万円、2021年3月期の予想は売上高は7200百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:23,085÷7200=3.2
よって、PSRに関しては2019年の市場平均が1.1だったため、平均よりは割高と言えます。
⑩社長が大事
会社のホームページでは社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれています。代表のメッセージでは「世界初」という言葉がよくみられ、santecの技術の独自性が伺えます。会社理念もオプトピアというかなり先の世界のことも想定している点が面白いと感じます。
なによりもホームページがシンプルでわかりやすいのが消費者にも投資家にもsantecのことを理解しやすいと感じました。
今後の成長性
santecの株価は、計算してみると妥当な位置にあると言えます。しかし、独自性のある技術をもち、経営状態は良好で、フリーキャッシュフローも高いので業績の伸びとともに、株価2400円のレジスタンスラインを突破するのが楽しみな銘柄です。
santecについてはこちらでも紹介されています。
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公開:2020年12月1日
更新:2021年1月5日
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