株式投資ファンダメンタル分析のすすめ①~PERのとらえ方~
今回の記事はファンダメンタル分析では、必ずみるPERについて書いていきます。
四季報や各証券会社のホームページでも確認できる重要な指標の1つです。
それでは、みていきましょう。
PERとは
PERは「Price Earning Ratio」の略であり、「株価収益率」とも呼びます。
PERは株価と会社の利益を比べ、株価が割安かどうかを判断する指標です。
具体的にいうと、今の株価が「1株当たり当期純利益(EPS)」の何倍の水準にあるかを計算します。
倍率が低い方が割安になります。計算式は以下の通りです↓
PERをもう少し掘り下げて考えます。
例えば、「株価10万円、発行株式数100株、当期純利益100万円」の企業があるとします。
もしも、この会社の株を全て買いオーナーになったとします。そうすると当期純利益100万円は全て買ったオーナーのものになります。
つまり、投資した1000万円で毎年100万円の利益を生み出します。そして、10年後にはこの1000万円を回収できます。
この時の「10年」がPERのことです。
PERは投資資金を何年間の利益で回収できるかを表しているので、PER100倍超えの銘柄も多数ありますが、低い方が当然割安です!
最近のPERについて考察
最近のPERは銘柄によっては100倍を超えるものもみられます。PER自体みないで銘柄選定をされる方もいますが、四季報や証券会社においても記載されています。つまり、指標として十分に有効性があると考えられます。
特に、予想PERは銘柄の将来の成長性について判断材料の1つになります。
また、PERの標準はおおむね「15倍」と言われており高くても低くてもここに戻ると考えられています。
しかし、PERの平均値は市場や業種別でみるとそれぞれ全く異なる値となっています。自分が投資したい銘柄がその平均値より高いのか、低いのか確認してから注文をいれると良いと思います。
こちらで各種指標を毎月発表されるので、確認されると良いと思います。
優良株を低PERで買う
割安株投資
PERを使った基本的な投資戦略は、
割安株投資とは「業績が安定しているのにPERが低いものを狙う」です!
具体的には、同じ水準の業績を毎年しっかり維持していたり、少しずつでも成長している企業です。
こうした銘柄がPER1ケタで放置されている場合は、投資チャンスの可能性があります。
投資戦略
銘柄の選定・評価を次の順でみていきます。
①会社の業績を確認する
過去3〜5年で同水準の維持もしくは安定成長しているか?
②業績を確認したらその背景を考える
会社のホームページ、決算資料、四季報、アナリストレポートを確認し、テーマ性や今後の成長性を想定する。
③PERの確認
「株価÷予想1株益」から予想PERを算出する。(四季報でも予想PERは確認できる。)この時のPERが15倍以下もしくは市場・業種平均より低いのかみる。
以上①〜③を踏まえ今後の株価上昇が予想できたら買い注文をいれると良いでしょう!
高成長株を狙う
成長株投資
PERを使った2つ目の投資戦略は、
成長株投資とは「PERはやや高めでも、利益成長がすごくてそれにより株価が化けるのを狙う」です!
この方法は、投資したい銘柄が「今後3年間の成長率はこのくらいまでいくのではないか」と想定して、その成長率からみて適性なPERより大幅に安い水準のものを狙います。
この予想をするのは難しいため、決算説明資料の成長計画や四季報の予想を使って確認します。
他にもopen workというサイトでは社員の口コミを見れます。このように業界内の人の意見も1つの参考になります。
そして、業績が急成長を続けているもので、PERが20倍、30倍でも割安さを感じられたら投資妙味もあると考えます。
適正株価・PER
それでは、適正な株価、PERはどれくらいなのか?を考えていきます。
例えば、「株価2000円、2020年予想の1株益100円」の企業があるとします。この時のPERは 2000÷100=20倍 になります。PER15倍の標準より高く割高に見えます。
そして、この企業の3年後の1株益予想値が200円に成長した場合、標準的なPER15倍をかけることで3000円は適正な株価ではないのかと考えられます。
この株価3000円は2020年1株益(100円)からみるとPER30倍の水準です。
よって株価3000円、PER30倍以下は割安と考えられので、「株価2000円、2020年予想の1株益100円、PER20倍」も買いのタイミングになります。
また、「株価は2〜3年先のPER15倍の水準を探って動く」と言われているので、3年後の予想値を用いながら計算し評価します。
成長率とPERの関係
さらに「成長率とPERの関係」についても考えていきます。
成長率とPERの関係は成長率が30%ならPER30倍、成長率が40%ならPERは40倍と同じ値になると言われています。これらが「成長株にとっての標準的(妥当な)PER」と考えられています。
株を買うポイントとしては、この標準的なPERより大幅に安い水準で買うべきです。「妥当なPERの半分くらいの値段で買う」と考えるとよいです。
例えば、成長率が30%くらいの銘柄では、妥当なPERは30倍、それが半分の15倍くらいの値段で買うことになります。
ただし、50%を大きく超えるような高成長の場合でも。「株を買うならPER30倍くらいまで」と考えておくのが無難です。PERがあまりにも高い水準になると、株価が乱高下しやすく、その会社が期待外れになった時の株価下落リスクも高くなるからです。
バフェット流投資のPER
バフェットは、過去の投資実績からPER15倍以下(できれば10倍以下)で買付ています。
最も多いのはPER7〜8倍のタイミングのようです。
米国株の優良企業がここまで下がることは滅多にありません。よって、いかに慎重かつ辛抱強く銘柄選定、買付のタイミングを待つ必要があるのかをバフェットの投資スタイルから勉強できます。