【投資の勉強】会社四季報 2022年3集夏号を通読•考察する
公開:2022年7月16日
最近は世界の株式、FX関連、仮想通貨、商品先物などの価格変動が激しくなっています。景況感としてはもうすぐリセッション入りではないかとも言われ、相場環境は大変難しくなっております。
こうした環境だからこそ安くいい銘柄が買えないのか、四季報を通読し、考察していきます。
銘柄のスクリーニングポイントはいつも通り以下の条件でみていきます。
📘会社四季報 2022年夏号
— メーメー (@me_me_me_me7) 2022年6月19日
次の条件で気になった銘柄をピックアップしていきます!
①時価総額200億以下
②売上、利益、EPSが3〜5年上昇
③ ROE10%以上
④株価(2000円以下)
⑤上場10年以内
世界的に利上げが始まり逆金融相場に入っており、テクニカル的に厳しい銘柄が多いですが、みていきます!
現在は割安になっている銘柄も多くありますが、早速みていきたいと思います。
★会社四季報の読み方は以下の記事が参考になります。
2022年3集ピックアップ銘柄
1430 ファーストコーポレーション
首都圏軸に分譲マンション建設。用地手当てから建築まで一貫の造注方式に強み。福岡にも進出。
業績は20.5にEPSが一時的に落ち込むも順調に復調。予想配当利回りも4.59%とかなり高いです。ROEは18%を超え、ウェルビーイング型分譲マンションの案件で他社と差をつけられるか注目です。
1431 Lib Work
熊本県、福岡県地盤の注文住宅メーカー。住宅見学会やネット中心の販売から展示場も活用へ。
四季報では毎回いい数字を出してくるが、株価はすっと横ばい圏。注文住宅、九州拠点だとやはり注目度が低いのか?
横浜の買収子会社の影響に注目です。
2163 アルトナー
技術者派遣古参。機械、電気・電子、ソフトの設計開発が軸。人材紹介進出。配当性向高い。
ROE20%以上、配当性向50%以上、最高純益を連続更新。チャートはずっと横ばいなのでどこで動き出すか注目です。
2185 シイエム・シイ
マニュアル作成等マーケティング支援で有力。自動車向け6割超。情報通信技術で多角展開。
こちらも四季報で毎号いい数字を出す企業です。しかしチャートは2018年からずっと横ばい。マニュアル作成はイメージされにくい業種なのか?
2353 日本駐車場開発
商業施設等の転貸型月極駐車場を国内外で運営。傘下に日本スキー場開発、テーマパークも。
ここも業績が良い銘柄で、株価も低く個人投資家でも買いやすいとこです。駐車場やテーマパーク関連でGo To トラベルの再開により人の流れが増えることでさらに業績が伸びることが予想されます。
2436 共同ピーアール
企業パブリシティ活動の支援、コンサルティングが主力事業。独立系大手。海外に拠点展開。
コンサルティング企業はどこも業績が良いのですが、こちらの銘柄は積極的なM&Aにより業績が急拡大しています。株価も2022年7月に入り上昇トレンドに入っており、期待ができます。
2932 STIフード
水産食品やおにぎり具材の製造。セブン向け売上8割超。国内での一貫生産による品質が強み。
株価は2000円あたりを底値に推移しています。業績も安定しており、焼き魚に加えカップサラダも好調。ベンチャー投資もしており、四季報で毎号いい報告がみられます。
2986 LAホールディングス
ラ・アトレ母体に20年7月持株会社に移行。分譲・商業施設など新築不動産や再生不動産開発。
連続最高益を更新し、株価も上昇中。業績も良好で高配当。押し目待ちに押し目なしだが、押し目を狙いたい銘柄です。
3157 ジューテックホールディングス
建材卸大手。M&Aで拡大。マンションリノベーション向け事業は業界トップ級。東日本で強い。
順調に業績を拡大し、連続最高益。M&Aに加えてPB拡大。高配当でチャートは長らくレンジ相場いつ動くのか?小型で注目されないのか?
3180 ビューティーガレージ
理美容機器や業務用化粧品の通販最大手。フルラインでニーズ対応。シンガポールにアジア拠点。
ここも株価2000円を底値として推移している銘柄です。株価はピークアウトしていますが、業績は順調なのでどのタイミングで反転するかが注目です。
3467 アグレ都市デザイン
東京・神奈川地盤にデザイン性高めた中価格帯の戸建て分譲を展開。建築請負も。製販一貫体制。
連続増益、増配。土地価格上昇あるも業績は順調に拡大、株価も右肩上がり、高配当なので安心できます。
3475 グッドコム
東京23区で投資用ワンルームマンション、家族向けも。女性公務員に顧客基盤。全国展開へ舵。
株価は一旦ピークアウト。業績は良好でREITにも参入、全国展開もある。チャートは底打ち感もあるが、動きが鈍いのは不動産銘柄だからか。
3482 ロードスターキャピタル
都内のオフィスを取得、付加価値高めて売却するのが主力事業。クラウドファンディングも展開。
ここも不動産銘柄の1つですが、ROEとROAの差が大きくレバレッジ経営になりますが、うまく業績を拡大できています。チャートも順調に右肩上がりです。
3853 アステリア
ノーコード技術、AI等先進技術有するソフト開発メーカー。データ連携ツールはシェア首位。
ソフト開発企業は業績がいいとこが多いですが、ここは先進技術を有しているのが特徴です。そして投資先企業がナスダック上場予定とカタリストが多いです。
3854 アイル
中堅・中小企業向け販売在庫管理システムを開発。実店舗とネットショップの統合管理に展開。
業績は良好で、株価はレンジ相場。コロナ環境下では実店舗とネットショップを結ぶここのビジネスモデルはまだまだ強いと考えられます。
3934 ベネフィットジャパン
回線借り通信サービスを行うMVNO事業者。モバイルWi−Fiが主力。コミュロボも扱う。
株価は低迷中だが、業績は良好の銘柄です。ここの特徴はコミュロボです。百貨店やエディオンなど活躍の場が広がっており、将来的な人手不足を考慮すると参入障壁がつくられると予想されます。
3991 ウォンテッドリー
ビジネスSNS「ウォンテッドリー」運営、人材募集掲載ツール利用料が収益源、人材定着支援も。
主力の採用支援サービスは有料契約数も増加、単価も着実に上昇。業績は急拡大しており、今後に期待できそうです。
4055 ティアンドエス
製造業の生産管理システムの受託開発や保守が柱。半導体工場の保守・運用も。AI関連を育成。
半導体は競合他社が多いのでどこまで続くのかは分かりませんが、エッジAIや画像関連AIなど先進技術が今後成長しそうです。
4171 グローバルインフォメーション
海外の市場調査リポート販売が主力、日本中心に韓台でも展開。製造業等の大手企業が主顧客。
急速な円安がすすみ、世界中の株価が乱高下、加えてコロナの変異種は2週間に1度のペースでおきると言われている。そうした環境下では市場調査はまだまだ強いビジネスモデルと思われます。
4268 エッジテクノロジー
顧客の課題をAI導入で解決するAIソリューションが柱。AI教育とAIプロダクトも。
業績は良好で、人材不足が進むなかでAI導入で課題を解決するビジネスモデルは強いと考えられます。しかし、配当利回り0%が気になります。
4423 アルテリアネットワークス
丸紅系。光ファイバー網保有し企業向け通信サービスを展開。マンション向け一括提供型は首位。
時価総額は600億円を超えてますが、業績は良好で、仮想通貨技術を用いたサービスも展開しています。
4923 コタ
美容室向けヘア化粧品製造・販売。一括販売とバーターで無料コンサル行う「旬報店」が特徴的。
業績は毎年微増でチャートは右肩あがり。そして、ある程度株価が上がってくると1→1.1の分割を連発して株価が維持されているのが特徴です。
4979 OATアグリオ
農薬と肥料の開発・製造企業。大塚化学からMBOで分離独立。植物成長調整剤にも注力。
業績は良好で最高益更新。農業は今後一手不足は予想され、精密農業のような効率性が必要とされそうです。そのため、農薬と肥料の開発は長期潮流に乗っていると考えられます。
6055 ジャパンマテリアル
半導体・液晶工場向けの特殊ガス供給装置と特殊ガス販売・サービス主体。画像処理関連事業も。
半導体関連で、キオクシアおよびTSMCの案件を獲得しています。この2社との実績があると今後も強いと考えられます。
6062 チャーム・ケア・コーポレーション
近畿・首都圏で介護付き有料老人ホーム展開。高価格帯に重点。土地建物賃借の運営中心。
介護関連は高齢者が増えていくのでどこも良いのですが、ここの伸び率は大きいです。
加えて、介護用施設を建設しREITなどに売却するビジネスモデルを有しているのが特徴です。
6666 リバーエレテック
水晶振動子等の電子部品の製造・販売を手がける。電子ビーム封止工法など独自技術に定評。
業績の成長は鈍化がみられますが、IoTが進むなか水晶振動子はずっと必要なものです。
そして、ここは世界最小のものを作れる固有技術を有しています。
6919 ケル
工業・車載機器向けコネクターが主力。小型品中心。狭小タイプ大手。ラック、ICソケットも。
半導体を作っても何を作ってもモノとモノをつながらなければ使えません。そこで、コネクターが必要となります。ここのコネクターは5G機器や車載向けに拡販。また、物が小さくなっていくなかでは、コネクターも小型化する必要性を考えると、ここの競争優位性がみられます。
7191 イントラスト
家賃債務保証を軸に介護・医療費用保証も手がける。不動産、金融の業務受託が第2の柱。無借金。
連続増配、EPSも順調に増加、M&Aも検討されている。株価は上場時の価格付近にあり、いつEPSの増加に反応するか注目です。
9145 ビーイングホールディングス
生活物資に特化した3PL(物流一括受託)事業を展開。北陸を地盤に全国へエリア拡大。
燃料費高騰のなか業績良好で営業益続伸、連続増配。さらにここの強みは3PLを応用した4PLにあると考えられます。
9272 ブティックス
介護業界向けM&A仲介が成長中。事業者向けに展示商談会を大都市で開催。オンライン型も。
介護関連は業績が良いとこ多いですが、ここは加速度的に伸びています。チャートは2000円を底値に推移し、プライム上場がカタリストとして今後注目されそうです。
9274 国際紙パルプ商事
海外大型買収で紙専門商社首位に。製紙会社から印刷会社などへ卸す業態に加え新事業を追求。
紙を使わない人はいますか?ここは紙専門で首位の商社。M&Aにより事業の領域拡大、今後にも期待できそうで、チャートは新高値ブレイク(2022年7月15日時点)もしそうです。
まとめ
今回の会社四季報を通読して感じたのは、業績が良い銘柄がとにかく多い!しかし、株価は低迷中というとこも多く、業績相場はどこへいったのかと思いました。
世界中で利上げがされ、逆イールドも発生しているため、もう逆金融相場とも考えられます。岸田政権では「1億総株主」、「Invest in Kishida」、「新NISA」と聞こえの良いことばかり言っていますが、日経平均は下落トレンド中です。そのため、これから株を買うのなら暴落リスクも考慮して、慎重にタイミングをみるべきと感じました。
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