【初心者にもわかる企業分析】4486 ユナイトアンドグロウ、デジタル庁創設・DX推進による今後の成長性
今回の記事では、シェアードエンジニアリングという独特の基幹技術を用いて、中堅・中小企業に対しIT関係の事業展開を行う4486 ユナイトアンドグロウについて分析していきます。
ユナイトアンドグロウはどんな企業?
IT業界の将来性
①国内および世界のトップ産業がIT業界
②様々な業界でITの需要が増加
③IT人材の需要が年々増加
IT業界の課題
①IT人材の不足
②SEの長時間労働
中小企業のデジタル化
①デジタル化への関心高い
従業員数300人以上3000人未満の中堅企業では、推進・着手ずみが56%、従業員数300人未満の中小企業では34%となっている。一方で、検討意向を示している中堅企業は35%、中小企業は43%とDXへの関心は高まっている。
ユナイトアンドグロウは、従業員数50〜300人未満、300〜1000人未満の企業がターゲットであり、今後の需要は高まると考えられる。
②課題は山積み
デジタル庁とは?その影響
①デジタル庁とは?
②その影響
テクニカル・ファンダメンタル分析
①売上および利益が成長している
四季報の数値からわかるように2016年から2021年まで経営は続伸する予測です。EPSも2020.12は減少しますが、2021.12には大幅に増加します。このことから、中長期的にはなりますが2021年の経営と株価には期待がもてます。また、2021年の予想値と2017年の数値を比較すると売上は2200÷1175=約1.9倍、純利益は200÷67=約3倍と順調な成長が見込まれます。
②時価総額が小さい
③配当を出している
④上場10年以内
2005年2月23日設立で、2019年12月18日にマザーズ上場とかなり若い会社といえます。
⑤材料株か?
昨今のコロナ禍の中、デジタル庁創設が計画され、DX推進の波が押しよせています。そうした社会環境とIT人材の不足が予測されているため、今後ますますユナイトアンドグロウのサービスに対するニーズが高まると考えられます。
⑥チャートパターン
⑦注目度が低い銘柄
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
四季報からユナイトアンドグロウに関しては、予想PERは31倍と市場平均と比較するとかなり低い値にあります。そして年々売上および利益を伸ばし、配当もありますが株価は最近底打ち上昇してきました。
また、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍であり、予想EPSは20年12月で43.9円、21年12月で54.9円となっているため、現在の平均PERをもとにすると適正株価は以下のようになります。
- 20年12月:43.9×239.1=10496円
- 21年12月:54.9×239.1=13126円
このように市場平均をもとに適正株価を計算した場合、現在の1000円代はかなり割安にあると言えます。ただし、必ずこの株価まで上昇するというよりも今のEPSに対して割安にあるともこの計算から評価できます。
続いて、2020年12月期 第3四半期決算短信から貸借対照表を分析していきます。
貸借対照表から上記のような図が描けます。左側は流動資産、固定資産とその他を記載し、右側は純資産と負債を記載しています。
このことから、ユナイトアンドグロウは資産のほとんどは現金として持っており、有利子負債は10,067千円で余剰資金を多く持っている印象です。
仮に、事業を回すのに販売管理費の約4億がかかった場合、余剰資金は約10億円です。これだけの資金があれば事業展開、この会社の目標であるシェアード社員の増員も充分に行えると考えられます。
⑨PSRによる評価
ユナイトアンドグロウの時価総額は2020年11月13日では4052百万円、2020年12月期の予想は売上高は1850百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:4052÷1850=2.19
よって、PSRに関しては割高でも割安でもないと考えられます。
⑩社長が大事
会社のホームページから社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれています。代表のメッセージを読んだ第一印象はとにかく熱い方だと思います。IR TVも出されて決算の説明、今後の事業展開もわかりやすいのがいいです。
また、IRが適度に発信され、株式分割や増配など株主のことも意識され経営されているのが感じられます。
最後に
今回は、IT業界のことから説明し、IT人材の不足が起きていること、デジタル庁創設やDX推進のこと、そして、多くの余剰資金を持つユナイトアンドグロウは今後のシェアード社員増加や事業展開が見込まれます。
ただし、ゲームやバイオ銘柄ではないので急騰はあまり期待できないと考えられるため、中長期的にみていければと思います。
あわせて読みたい
株式トレードを自動で記録・分析し日々の投資活動を助けてくれるアプリ、カビュウについて書いています。
投資初心者、これから投資を始める方におすすめな本3冊について解説しています。
ファンダメンタル分析を勉強する際に役立つ本3冊を選びました。
公開:2020年11月14日
更新:2021年1月5日
続きを読む【初心者にもわかる企業分析】4395 アクリート,SMSのパイオニア
今回の記事では、SMSの配信事業を手がけるアクリートについて分析していきます。
アクリートはどんな企業?
アクリートはHPより「日本におけるSMS配信事業のパイオニア」であり、「世界が認める、グローバル品質と信頼性」のSMS配信サービスを提供する企業向けSMS配信マーケットのリーディングカンパニーとあります。
SMS市場シェアNo.1であり、主なサービスはSMSコネクト、SMSコネクト(双方向)、IVR認証/IVR連携を提供しています。
これまで、LINE、グリー、ミクシィ、食べログの課題解決に取り組んだ実績もあります。
アクリートの経営、成長性
まずは四季報と月足チャートをチェックしていきます。
四季報の数値から毎年売上、利益も伸び続けていますが、チャートは逆に下落しています。そして2020年9月には大きく陽線が出現して底打ちのように見られます。また、2020年12月期より配当も出るため、今後の株価上昇の要因の1つになると考えられます。
さらに、2020年以降のA2P-SMS市場の見通しは、2023年までのSMSの配信数は年平均40%以上で成長し、新規利用法人数は年30%増と予測されています。5Gサービスも事業拡大に影響すると考えられます。
同業他社と比較すると時価総額が低いこと、中長期成長では新事業領域への取り組みもあることから、今後の成長が期待できます。
10の法則で分析
こちらの記事で10倍株、2倍株をみつける分析について説明しています。
この方法に従ってここから徹底的にみていきます。
①売上および利益が成長している
四季報の数値からわかるように2016年から2021年まで経営は続伸する予測です。EPSが持続的に成長しているのもいい点です。また、売上は1620÷351=約4.6倍、純利益は220÷15=約14.6倍ととてつもない成長が見込まれています。
2020年12月の予想PERは25倍で、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍と比較するとかなり低い値であり、割安にあると言えます。
②時価総額が小さい
2020年8月15日では4287百万円でした。11月10日では6038百万円でまだまだ小型株です。
③配当を出している
2020年12月より配当がでます。2021年は増配も予想されます。
予想配当利回りは1.17%と小さい点がいいです。
④上場10年以内
2014年5月1日設立で、2018年7月26日にマザーズ上場とかなり若い会社といえます。
⑤材料株か?
アクリートの事業は企業から個人向けのSMS配信代行サービス展開、認証用途が多く国内もITサービス系中心に二段階認証用途が拡大している。リモートワークやより強固なセキュリティ対策が求められる社会では必要な技術である。
⑥チャートパターン
今のチャートパターンは横ばいから少し上昇に向いている。このまま上昇し、上場後高値の1929円を超えていけば高値節目抜け型になり青天井になる可能性も。ただし、過去の高値が抵抗ラインとなり株価が上下することは想定されます。
⑦注目度が低い銘柄
TwitterやYahooファイナンス掲示板での書き込みは少なく、アナリストレポートもないため、注目度は低いと言えます。
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
まずアクリートに関しては、予想PERは25倍と市場平均と比較するとかなり低い値にあります。そして年々売上および利益を伸ばし、配当もあるのにも関わらず株価は下落、横ばいと放置されています。
また、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍であり、予想EPSは20年12月で34.1円、21年12月で39.5円となっているため、現在の平均PERをもとにすると適正株価は以下のようになります。
- 20年12月:34.1×239.1=8153円
- 21年12月:39.5×239.1=9444円
このように市場平均をもとに適正株価を計算した場合、現在の1000円代はかなり割安にあると言えます。ただし、この価格まで上がるには材料はもちろんのこと事業展開や長い時間も必要になると考えられます。
また、必ずこの株価まで上昇するというよりも今のEPSに対して割安にあるともこの計算から捉えることができます。
⑨PSRによる評価
アクリートの時価総額は2020年11月10日では6038百万円、2020年12月期の予想は売上高は1650百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:6038÷1650=3.65
よって、PSRに関しては割高でも割安でもないと考えられます。
⑩社長が大事
会社のホームページから社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれ、会社のメッセージも社会環境に適してたものに更新されています。そして、「アクリートは第二創業期へ」という言葉は今後いい変化があるのではと思われます。
また、配当を出すのはもちろんのこと、IRが適度に発信されているので株主のことも思い経営されているのだと感じられます。
なので、株主も安心して出資・応援できます。
以上より、アクリートは2018年上場の若い企業で社会環境の変化に適した今後の成長が期待できます。
あわせて読みたい
株式トレードを自動で記録・分析し日々の投資活動を助けてくれるアプリ、カビュウについて書いています。
投資初心者、これから投資を始める方におすすめな本3冊について解説しています。
ファンダメンタル分析を勉強する際に役立つ本3冊を選びました。
最後に
この記事は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でお願いします。
また、投資情報は日々変化するため、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。
投資は自己責任でお願いします。
公開:2020年11月10日
更新:2021年1月5日
【必読】10倍株、2倍株をみつける10の法則
今回の記事では、投資歴1年未満の僕が実際に2倍株を見つけた方法を解説していきます。10倍株、2倍株の要件は様々なことが言われており、その中でも以下10の法則が重要と考えています。
1. 売上および利益が成長している
はじめに、会社四季報や株探などを使用しながら過去3年(できたら過去5年)の推移をみて、売上および利益が毎年増加傾向にある企業を選びます。また、当期以降も成長があることも確認します。現在は、コロナ禍であり業績に及ぼす影響も確認します。
そして、売上の伸び<利益の伸びの成長を示し、利益率の高い経営ができているか評価します。さらに、EPSが持続的に成長していることも成長株の重要な評価項目です。
2. 時価総額が小さい
投資対象とする時価総額は20〜50億円の銘柄にします。なぜなら、この価格帯は株価の上昇余地が大きい点、さらに、過去に10倍株を達成した銘柄の多くもこの時価総額にあったと考えられているからです。
ただし、地合によって時価総額は変化します。気になる銘柄が見つからない場合は100億まで投資対象を引き上げて銘柄を探すのもよいでしょう。
3. 配当を出している
配当を出す企業を投資対象にします。特に配当利回りは2%未満、できたら1%前後の企業にします。
この配当利回りを選ぶ理由は、2%を超えている場合は大手機関によって何らかの理由により株価の上昇を抑えられている可能性があるからです。この場合株価の成長は厳しくなります。
また、2%未満であるなら無配の企業も投資対象になるのではと考えられますが、無配の場合は株主に対する熱量や思いというのは配当ある企業と比較すると小さくなってしまいますので、投資対象から外します。
4. 上場10年以内
創業ではなく上場10年以内の企業を選びます。これは単純に若い会社には成長力があるからです。
一方で、大手と言われるまで成長した企業が、さらに急成長するのは難しいと考えられます。
5. 材料株か?
投資対象が、コロナ関連、5G関連、デジタル庁関連などのテーマ性があり、かつ日々の社会環境の変化に対応していける企業を選びます。
そして、浮動株が充分にあり、貸借銘柄でもあり、株価に流動性があることを確認します。
また、各企業のIRで株式分割や増資もしくは自社株買いの有無についても確認する必要があります。
6. チャートパターン
月足で以下のチャートパターンであるか確認します。
①急騰即乗り型
②高値節目抜け型
③長期横ばい急騰型
7. 注目度が低い銘柄
注目度が低いとは、TwitterやYahoo!ファイナンスにおいて書き込みが少ないことやアナリストレポートが少ないことをいいます。
また、逆張りのようになりますが、株探やニュースでもあまり取り上げられず周りが総悲観してる中で買うことで安く仕込むことができます。
8. 時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄とは、言い換えれば割安株投資のことです。
まずは、PERの視点から説明します。PERの標準はおおむね「15倍」と言われており高くても低くてもここに戻ると考えられているので、上述の1.で説明したように堅調に成長しているにも関わらず低PERで放置されている企業が投資対象になります。ただし、現在のPERは高いものから低いものまで様々ありますので、同市場同業種の平均値も参考にするとよいでしょう。
そして、企業本来の価格(適正株価)については、次の計算式を用います。
この計算式では将来PERが平均的な値に戻る性質を利用しています。
これにより、予想株価を求め、現在の株価が割安かどうかを評価します。
また、既に成長している同業他社と比較することで、投資対象としている企業の成長がどの段階に相当するのかという見当をつけることもできます。比較する企業が日本になければ外国株に目を向けるのも方法の1つです。
最終的には、投資対象である企業の経営方針や事業モデルも加味して適正株価を予想するとよいでしょう。
9. PSRによる評価
PSRは株価売上高倍率とも言います。以下の計算式を使います。
IT系の企業やスタートアップ企業では赤字も多く、PERなど利益をもとにした指標は評価できません。また、最近のPERは100倍を超えることも珍しくなく、以前よりも評価が難しくなっています。そこで、売上で評価するPSRが使用されるようになってきました。
PSRは20倍以上だと割高、0.5倍以下なら割安とされています。また、2019年の企業PSRの平均値は1.1倍でした。
10. 社長が大事
企業では、全ての事業戦略、財務戦略、投資決定、社員の成長性は社長のセンス・カリスマ性に依存しています。そのため、企業を見るときはトップがどのような人物か確認する必要があります。
社長の経歴は有価証券報告書やネットで調べれば分かります。企業のホームページを見れば社長のメッセージや決算説明の動画を見ることができます。この時の注意点としては、社長の写真はプロのカメラマンに撮ってもらったものか、メッセージは社長自ら書き適度に更新されているかを確認します。
なぜなら、社長の紹介ページは株主が必ずチェックするとこであり、社長の本気度もわかるとこだからです。本気度が伝わってこない企業は、株主に対する意識や株価対策も弱いので残念ですが、投資対象から外します。
最後に
投資歴1年未満の僕でも上述の方法で2倍株を見つけることができました。
最初からこの10の法則にあてはまる企業はなかなか見つかりませんので、8個ぐらい該当する企業を打診買いしながら精査していくとよいでしょう。
投資では当然のことではありますが、個人の資金量、性格、ライフスタイルなどで適した戦略は変わってきますので、この方法は1つの参考として、投資は自己責任のもと行ってもらえたらと思います。
あわせて読みたい
株式トレードを自動で記録・分析し日々の投資活動を助けてくれるアプリ、カビュウについて書いています。
投資初心者、これから投資を始める方におすすめな本3冊について解説しています。
ファンダメンタル分析を勉強する際に役立つ本3冊を選びました。
公開:2020年11月7日
更新:2021年1月5日
株式投資ファンダメンタル分析のすすめ③~ROE・ROAのとらえ方~
株価指標ではありませんが、株式投資でよく企業の経営指標の1つとして用いられるので、しっかりとポイントをおさえましょう。
ROEとは?
ROEは「Return On Equality」の略であり、「自己資本当期純利益率」といいます。決算短信や有価証券報告書などでは「自己資本利益率」と略されている場合もあります。
ROEは株主の所有分である自己資本を元手に、どれくらいの利益を稼ぐことができているかを評価するものです。
自己資本は、貸借対照表純資産の部の「株主資本+その他の包括利益累計額」で計算できます。
企業の収益力を利益の金額だけで判断する場合、規模の大きい企業のほうが規模の小さい企業より高いと収益力が高いと判断されかねません。そこで、「自己資本に対する当期純利益の割合」を使い企業規模に関わらずに収益力を評価できるのがROEです!
ROEは高い方がよい
ROEは高ければ収益力の高い優良な企業、低ければ収益力の劣る企業という評価がされます。一般的にROEが10%以上であれば収益力が高いと言えます。そして、ROEが高ければ将来の収益力があるため、企業価値向上による株価上昇も期待できます。
したがって、ROEが高いにも関わらず株価が低い、つまり収益力が高いことが正当に株価に反映されていない企業を探すのがよいでしょう。その際、ROEだけでなくPERも併用して考えるようにしましょう。
なぜなら、ROEは企業の収益性を示す指標ですが、株価を考慮して計算されていないからです。
ROEは、割安株を探すときよりも成長株を探すときに活用します。
ROAとは?
ROAは「Return On Assets」の略であり、「総資産利益率」といいます。ROAは総資産に対して、どのくらいの割合の当期純利益を得ているかを表した指標です。ROAは5%以上であれば優良と言われています。また、ROAは有価証券報告書にはのっていないので、計算して求めるか、四季報を参考にします。
ROAは売上高利益率と総資産回転率から構成されています。よって、ROAを大きくするには、これらを上げればよいことになります。
売上高利益率(=当期純利益÷売上高)は、利益率のことであり、売上高に占める利益の割合がどれくらいかを表しています。数値が高いほど、収益力が高いです。
総資産回転率(=売上高÷総資産)は、売上高が総資産の何倍かを表しており、その売上を上げるために、総資産を何回転させてたかとも考えられます。数値が高いほど資産を効率的に活用できています。
もし、総資産回転率あるいは売上高利益率が年々低下している企業があれば、やがてROAの低下、つまり収益力の低下につながります。
ROEやROAが上昇傾向、もしくは高水準を維持している企業でなければ、長期的成長は見込みづらいです。長期成長企業を探す場合、ROEやROA、そしてROAの構成要素である売上高利益率や総資産回転率の推移には注意しましょう。
成長株の投資ポイント
ここまでROEとROAについて述べてきたことから、投資対象とすべき「成長株」のポイントとして以下の4つがあげられます。
- 高成長:売上高や利益が年々増加(過去3~5年は堅調に推移)
- 高収益力:ROE10%以上、ROA5%以上をキープしている
- 将来の成長余地:売上高や総資産がまだ大きくない(適正価格を計算)
- 株価の上昇余地:株価がまだ大きく上昇していない(時価総額、チャートをチェック)
1.〜4.より、売上高や利益が年々増加し、ROEが高い企業であることはもちろんのこと、売上高がまだ小さく、株価もそこまで大きく上昇していないものが望ましいです。
つまり、高成長の初期段階にあり、企業規模がまだ小さいたいめ成長余地が大きく、投資家からの注目度も低いたいめに株価が大きく上昇していない企業です。
また、PERを併用した適正価格の計算方法はこちらの記事で説明しています。
レバレッジ経営を見極めろ!
レバレッジ経営とは、金融機関などから多額の借り入れを行い、積極的な事業展開により多額の利益を獲得しようとする経営のことです。
この方法は、借入金の返済や利息の支払いに困らないほどの利益を上げていれば問題はありません。しかし、事業が失敗するなどして利益が小さくなったり赤字になった場合、借入金の返済や利払いが困難になり、最悪の場合倒産の恐れもあります。
このレバレッジ経営のの見極めに有効なのが、ROEとROAの差を比較することです。
極端なレバレッジ経営をしていなければ、ROEとROAの差は通常2〜3倍程度です。
上の表から、ビッグカメラとファーマーフーズのROE・ROAに大きな差はありません。しかし、アミタホールデイングは約11倍の差があり、自己資本比率は15.9%、有利子負債は約16億円もあります。また、ウィルグループでは約10倍の差があり、自己資本比率12.9%、有利子負債は約96億円もあります。
このようにレバレッジ経営をしている企業は、ROEが高く、自己資本比率が小さくなる傾向にあります。リスクを取り、積極的に借り入れをし、より大きな利益を狙っている背景があります。
事業が今後も堅調に推移すれば株価の上昇も期待できますが、事業に失敗した場合は、倒産の可能性も伴うハイリスク・ハイリターンな手法がレバレッジ経営です。
株式投資では過大なリスクを避けたい場合は、レバレッジ経営をしている企業は投資対象から外すのもよいでしょう。
バフェット流投資
バフェットの投資判断基準は、PER15倍以下、ROE12%以上、売上高純利益率10%以上と考えられます。
ROEに関して「投資の際に最も重要視する指標だ」と言ってます。投資家が出資した企業が、預かった資産をどのくらい効率的に活用し利益を生み出しているかを表す指標のため、重要視されています。
以上のように、ROE・ROAは株価について評価できませんが、企業の収益力を評価でき、将来の成長性の判断材料として活用できます!
あわせて読みたい
株式投資ファンダメンタル分析のすすめシリーズとして、下記の記事を読むことで①PER ②PBRについてより深く勉強できます。
株式投資ファンダメンタル分析のすすめ②~PBRのとらえ方~
今回はファンダメンタル分析からPBRについて説明していきます。
PERに加えて企業価値を評価する重要な指標の1つです。
PERはこちらの記事で解説してます。
PBRとは?
PERが「利益」から株価水準を測るのに対して、企業の「資産」から測るのが、PBR(株価純資産倍率)です。
株価を1株あたりの純資産で割って求めます。純資産とは、会社の総資産から負債を引いたもので、純粋に会社が持っている資産のことです。
そして、PBRは会社が解散した場合の株主が受け取れる資産の割合を示す数字でもあります。PBRが1倍なら、株価と同じ資産を受け取れることになり、この数値が高いほど割高になります。逆にPBRが1倍未満なら割安ということになります!
特に、赤字企業ではPERは評価できないので、PBRによて割安かどうか評価することになります。
PBR1倍以下は買い時か?
PBRが1倍割れの理由については次のことが考えられます。
①赤字の企業
②優良企業だが一時的に株価が下がっている
まず、赤字の企業もしくはそうなりそうな企業ですが、純資産がどんどん減っていきます。よって、今の純資産をもとに計算したPBRは全く参考にならず、たとえPBRが1倍割れていても買い時ではないので要注意です。
ただし、赤字企業でも材料やテーマ性があれば株価は上昇します。ここの見極めもとても重要なので、IRやニュースチェックは必須です。
また、将来の見通しが良い優良企業だが、一時的に調子が落ちていたり、コロナショックのような暴落で株価が下がった時にPBR1倍割れている場合は、買いのチャンスです!この場合は、PBRが1倍の価格に戻ることが期待でき、さらに上昇する可能性もあります。
PBR1倍は底値メド
PBRを計算する時の「1株純資産」は帳簿にのっている現預金や不動産から計算した金額ですが、優れた経営であれば、これらに加えてノウハウ、技術やブランド力といった帳簿にのっていない価値も蓄えられます。よって通常は、会社の価値は純資産以上になるはずであり、PBRは1倍以上の状態になります。
そして、日本を代表するような優良企業で注目度も高い銘柄であれば、PBR1倍近くまで下がる場合、底値と考えて株を買う投資家が多いと考えられています。
PERとPBRの違い
PERは、今期獲得するであろう当期純利益の額と株価を比較して株価の割高・割安を判断する「フロー」の指標です。
一方、PBRは、すでに現時点で企業に存在する純資産の額を企業価値ととらえ、これと株価を比較して割安か判断する「ストック」の指標です。
つまり、PERは、これから企業が獲得する企業価値と株価の比較であるのに対し、PBRはすでに企業が持っている企業価値と株価の比較をするものです。
利益の変動が激しい企業のPERは大きく上下に動きやすく、年によって、PERが5倍や100倍になります。また、利益の額が非常に小さいと分母が小さくなり、PERが非常に高くなることもあります。さらに、赤字の企業では、PERの計算はできません。そのため、業績が安定して毎年黒字を計上している企業でなければPERによる適切な株価評価は難しいです。
このような場合に、ストック面からみた時点での企業価値と株価を比較した指標であるPBRを使います!そして、上述した点に注意しながら、PBR1倍の水準まで株価が下がっている企業を探し、買い注文をいれるか検討します。
バフェット流投資のPBR
結論から先に言いますと、ここまで様々なことを述べてきましたが、PBRはバフェット流投資では重要視されていません。
当初バフェットも、企業が収益を生むためには設備などの「資産」が必要不可欠であり、逆に設備などの「資産」があればそれなりの収益を上げることが可能と考えていました。
しかし、後にいくら設備「資産」があっても「その設備で生産した商品が売れなければ収益を得ることができず、株価も上昇しない」そして「企業が日々、上げる収益こそが株価を上昇させる」と考え、解散価値(PBR)に重きをおいていません。
現代の優良企業は「サブスク型」や「ファブレスメーカー」も多く、設備「資産」という重荷を持たない企業が多く、解散価値が高いことは、必ずしもプラス評価にはなりません。
また、解散価値はあくまでも帳簿上の金額であり、実際にその価格で売却できるとは限らず、不良在庫も帳簿上では資産であり、生産が落ち込んで閉鎖した工場も資産です。なので、バフェット流投資ではPBRは重要視されていません。
しかし、PBRは四季報に記載されており、底値の基準としても使えるので、必要に応じて評価し判断するのがいいでしょう!
株式投資ファンダメンタル分析のすすめ①~PERのとらえ方~
今回の記事はファンダメンタル分析では、必ずみるPERについて書いていきます。
四季報や各証券会社のホームページでも確認できる重要な指標の1つです。
それでは、みていきましょう。
PERとは
PERは「Price Earning Ratio」の略であり、「株価収益率」とも呼びます。
PERは株価と会社の利益を比べ、株価が割安かどうかを判断する指標です。
具体的にいうと、今の株価が「1株当たり当期純利益(EPS)」の何倍の水準にあるかを計算します。
倍率が低い方が割安になります。計算式は以下の通りです↓
PERをもう少し掘り下げて考えます。
例えば、「株価10万円、発行株式数100株、当期純利益100万円」の企業があるとします。
もしも、この会社の株を全て買いオーナーになったとします。そうすると当期純利益100万円は全て買ったオーナーのものになります。
つまり、投資した1000万円で毎年100万円の利益を生み出します。そして、10年後にはこの1000万円を回収できます。
この時の「10年」がPERのことです。
PERは投資資金を何年間の利益で回収できるかを表しているので、PER100倍超えの銘柄も多数ありますが、低い方が当然割安です!
最近のPERについて考察
最近のPERは銘柄によっては100倍を超えるものもみられます。PER自体みないで銘柄選定をされる方もいますが、四季報や証券会社においても記載されています。つまり、指標として十分に有効性があると考えられます。
特に、予想PERは銘柄の将来の成長性について判断材料の1つになります。
また、PERの標準はおおむね「15倍」と言われており高くても低くてもここに戻ると考えられています。
しかし、PERの平均値は市場や業種別でみるとそれぞれ全く異なる値となっています。自分が投資したい銘柄がその平均値より高いのか、低いのか確認してから注文をいれると良いと思います。
こちらで各種指標を毎月発表されるので、確認されると良いと思います。
優良株を低PERで買う
割安株投資
PERを使った基本的な投資戦略は、
割安株投資とは「業績が安定しているのにPERが低いものを狙う」です!
具体的には、同じ水準の業績を毎年しっかり維持していたり、少しずつでも成長している企業です。
こうした銘柄がPER1ケタで放置されている場合は、投資チャンスの可能性があります。
投資戦略
銘柄の選定・評価を次の順でみていきます。
①会社の業績を確認する
過去3〜5年で同水準の維持もしくは安定成長しているか?
②業績を確認したらその背景を考える
会社のホームページ、決算資料、四季報、アナリストレポートを確認し、テーマ性や今後の成長性を想定する。
③PERの確認
「株価÷予想1株益」から予想PERを算出する。(四季報でも予想PERは確認できる。)この時のPERが15倍以下もしくは市場・業種平均より低いのかみる。
以上①〜③を踏まえ今後の株価上昇が予想できたら買い注文をいれると良いでしょう!
高成長株を狙う
成長株投資
PERを使った2つ目の投資戦略は、
成長株投資とは「PERはやや高めでも、利益成長がすごくてそれにより株価が化けるのを狙う」です!
この方法は、投資したい銘柄が「今後3年間の成長率はこのくらいまでいくのではないか」と想定して、その成長率からみて適性なPERより大幅に安い水準のものを狙います。
この予想をするのは難しいため、決算説明資料の成長計画や四季報の予想を使って確認します。
他にもopen workというサイトでは社員の口コミを見れます。このように業界内の人の意見も1つの参考になります。
そして、業績が急成長を続けているもので、PERが20倍、30倍でも割安さを感じられたら投資妙味もあると考えます。
適正株価・PER
それでは、適正な株価、PERはどれくらいなのか?を考えていきます。
例えば、「株価2000円、2020年予想の1株益100円」の企業があるとします。この時のPERは 2000÷100=20倍 になります。PER15倍の標準より高く割高に見えます。
そして、この企業の3年後の1株益予想値が200円に成長した場合、標準的なPER15倍をかけることで3000円は適正な株価ではないのかと考えられます。
この株価3000円は2020年1株益(100円)からみるとPER30倍の水準です。
よって株価3000円、PER30倍以下は割安と考えられので、「株価2000円、2020年予想の1株益100円、PER20倍」も買いのタイミングになります。
また、「株価は2〜3年先のPER15倍の水準を探って動く」と言われているので、3年後の予想値を用いながら計算し評価します。
成長率とPERの関係
さらに「成長率とPERの関係」についても考えていきます。
成長率とPERの関係は成長率が30%ならPER30倍、成長率が40%ならPERは40倍と同じ値になると言われています。これらが「成長株にとっての標準的(妥当な)PER」と考えられています。
株を買うポイントとしては、この標準的なPERより大幅に安い水準で買うべきです。「妥当なPERの半分くらいの値段で買う」と考えるとよいです。
例えば、成長率が30%くらいの銘柄では、妥当なPERは30倍、それが半分の15倍くらいの値段で買うことになります。
ただし、50%を大きく超えるような高成長の場合でも。「株を買うならPER30倍くらいまで」と考えておくのが無難です。PERがあまりにも高い水準になると、株価が乱高下しやすく、その会社が期待外れになった時の株価下落リスクも高くなるからです。
バフェット流投資のPER
バフェットは、過去の投資実績からPER15倍以下(できれば10倍以下)で買付ています。
最も多いのはPER7〜8倍のタイミングのようです。
米国株の優良企業がここまで下がることは滅多にありません。よって、いかに慎重かつ辛抱強く銘柄選定、買付のタイミングを待つ必要があるのかをバフェットの投資スタイルから勉強できます。
プライバシーポリシー
当サイトに掲載されている広告について
当サイトでは、第三者配信の広告サービス(A8.net、もしもアフィリエイト)を利用しています。
このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。
当サイトが使用しているアクセス解析ツールについて
当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。
このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。
この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。
この規約に関して、詳しくはこちらをご覧ください。
当サイトへのコメントについて
当サイトでは、スパム・荒らしへの対応として、コメントの際に使用されたIPアドレスを記録しています。
これはブログの標準機能としてサポートされている機能で、スパム・荒らしへの対応以外にこのIPアドレスを使用することはありません。
加えて、次の各号に掲げる内容を含むコメントは管理人の裁量によって承認せず、削除する事があります。
- 特定の自然人または法人を誹謗し、中傷するもの。
- 極度にわいせつな内容を含むもの。
- 禁制品の取引に関するものや、他者を害する行為の依頼など、法律によって禁止されている物品、行為の依頼や斡旋などに関するもの。
- その他、公序良俗に反し、または管理人によって承認すべきでないと認められるもの。
免責事項
当サイトで掲載している画像の著作権・肖像権等は各権利所有者に帰属致します。権利を侵害する目的ではございません。記事の内容や掲載画像等に問題がございましたら、各権利所有者様本人が直接メールでご連絡下さい。確認後、対応させて頂きます。
当サイトからリンクやバナーなどによって他のサイトに移動された場合、移動先サイトで提供される情報、サービス等について一切の責任を負いません。
当サイトのコンテンツ・情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもございます。
当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
また、Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。
プライバシーポリシー
当サイトは、個人情報に関して適用される日本の法令を遵守するとともに、本ポリシーの内容を適宜見直しその改善に努めます。
修正された最新のプライバシーポリシーは常に本ページにて開示されます。
運営者:メーメー