【初心者にもわかる企業分析】4395 アクリート,SMSのパイオニア
今回の記事では、SMSの配信事業を手がけるアクリートについて分析していきます。
アクリートはどんな企業?
アクリートはHPより「日本におけるSMS配信事業のパイオニア」であり、「世界が認める、グローバル品質と信頼性」のSMS配信サービスを提供する企業向けSMS配信マーケットのリーディングカンパニーとあります。
SMS市場シェアNo.1であり、主なサービスはSMSコネクト、SMSコネクト(双方向)、IVR認証/IVR連携を提供しています。
これまで、LINE、グリー、ミクシィ、食べログの課題解決に取り組んだ実績もあります。
アクリートの経営、成長性
まずは四季報と月足チャートをチェックしていきます。
四季報の数値から毎年売上、利益も伸び続けていますが、チャートは逆に下落しています。そして2020年9月には大きく陽線が出現して底打ちのように見られます。また、2020年12月期より配当も出るため、今後の株価上昇の要因の1つになると考えられます。
さらに、2020年以降のA2P-SMS市場の見通しは、2023年までのSMSの配信数は年平均40%以上で成長し、新規利用法人数は年30%増と予測されています。5Gサービスも事業拡大に影響すると考えられます。
同業他社と比較すると時価総額が低いこと、中長期成長では新事業領域への取り組みもあることから、今後の成長が期待できます。
10の法則で分析
こちらの記事で10倍株、2倍株をみつける分析について説明しています。
この方法に従ってここから徹底的にみていきます。
①売上および利益が成長している
四季報の数値からわかるように2016年から2021年まで経営は続伸する予測です。EPSが持続的に成長しているのもいい点です。また、売上は1620÷351=約4.6倍、純利益は220÷15=約14.6倍ととてつもない成長が見込まれています。
2020年12月の予想PERは25倍で、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍と比較するとかなり低い値であり、割安にあると言えます。
②時価総額が小さい
2020年8月15日では4287百万円でした。11月10日では6038百万円でまだまだ小型株です。
③配当を出している
2020年12月より配当がでます。2021年は増配も予想されます。
予想配当利回りは1.17%と小さい点がいいです。
④上場10年以内
2014年5月1日設立で、2018年7月26日にマザーズ上場とかなり若い会社といえます。
⑤材料株か?
アクリートの事業は企業から個人向けのSMS配信代行サービス展開、認証用途が多く国内もITサービス系中心に二段階認証用途が拡大している。リモートワークやより強固なセキュリティ対策が求められる社会では必要な技術である。
⑥チャートパターン
今のチャートパターンは横ばいから少し上昇に向いている。このまま上昇し、上場後高値の1929円を超えていけば高値節目抜け型になり青天井になる可能性も。ただし、過去の高値が抵抗ラインとなり株価が上下することは想定されます。
⑦注目度が低い銘柄
TwitterやYahooファイナンス掲示板での書き込みは少なく、アナリストレポートもないため、注目度は低いと言えます。
⑧時価総額と企業本来の価格に解離がある銘柄
まずアクリートに関しては、予想PERは25倍と市場平均と比較するとかなり低い値にあります。そして年々売上および利益を伸ばし、配当もあるのにも関わらず株価は下落、横ばいと放置されています。
また、2020年10月マザーズ情報通信業の平均PERは239.1倍であり、予想EPSは20年12月で34.1円、21年12月で39.5円となっているため、現在の平均PERをもとにすると適正株価は以下のようになります。
- 20年12月:34.1×239.1=8153円
- 21年12月:39.5×239.1=9444円
このように市場平均をもとに適正株価を計算した場合、現在の1000円代はかなり割安にあると言えます。ただし、この価格まで上がるには材料はもちろんのこと事業展開や長い時間も必要になると考えられます。
また、必ずこの株価まで上昇するというよりも今のEPSに対して割安にあるともこの計算から捉えることができます。
⑨PSRによる評価
アクリートの時価総額は2020年11月10日では6038百万円、2020年12月期の予想は売上高は1650百万円であるので、PSRは以下のようになります。
- PSR:6038÷1650=3.65
よって、PSRに関しては割高でも割安でもないと考えられます。
⑩社長が大事
会社のホームページから社長の写真もカメラマンに取ってもらったものが選ばれ、会社のメッセージも社会環境に適してたものに更新されています。そして、「アクリートは第二創業期へ」という言葉は今後いい変化があるのではと思われます。
また、配当を出すのはもちろんのこと、IRが適度に発信されているので株主のことも思い経営されているのだと感じられます。
なので、株主も安心して出資・応援できます。
以上より、アクリートは2018年上場の若い企業で社会環境の変化に適した今後の成長が期待できます。
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最後に
この記事は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でお願いします。
また、投資情報は日々変化するため、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。
投資は自己責任でお願いします。
公開:2020年11月10日
更新:2021年1月5日